「まだちょっと動いています」配信中のスマホを奪い頭部を蹴りながら…「最上あい」を刺殺した高野健一被告が佐藤愛里さんの“ガチ恋”になった経緯【高田馬場刺殺・公判】
「初めてLINE交換した」
なぜこのような凄惨な事件が起きてしまったのか。高野被告はもともと、佐藤さんの配信者のリスナーであった。その関係性の推移を、両者のLINEのやりとりなど裁判で明らかになった証拠とともに時系列で説明していく。 2021年12月~2022年1月、佐藤さんが配信を始める。その翌日には、高野被告がリスナーとなる。 高野被告は配信を応援する意味で投げ銭を行った。これまで他の配信者に投げ銭をすることもあったが、せいぜい数百円であった。しかし、佐藤さんには約半年ほどで、163万円の投げ銭を行った。 配信の中で、佐藤さんがSNSのアカウントを公開したため、それをもとに高野被告がDM(ダイレクトメッセージ)を送る。その後、関係性が向上したことにより、佐藤さんからLINEの交換の提案を受ける。 その際、佐藤さんは「初めてLINE交換した」などと言ったという。他愛もないやりとりを続ける中で、高野被告は佐藤さんに好意を抱くようになる。 2022年1月以降、高野被告はLINE上で佐藤さんに対して「マジラブ」「いっぱい好き」「ガチ恋」など好意の言葉を多く向けた。佐藤さんは「彼氏みたい」「結婚やな」「髙野いなかったら配信続かなかった」などと返す。配信者とリスナーの関係性において営業トークに捉えられるかもしれない。ただ、二人が交わしたLINEのやり取りは、記録が残っているだけでも4万通に及び、文面上は相応に仲の良さを感じさせるものであった。 そんななか、佐藤さんは定期的に「もうLINEしない、高野に頼りすぎてた」「(LINEを)ブロックする」など距離をおくような発信も行っていた。当初、高野被告はすがるように関係継続を求めるようなメッセージもあった。 しかし、後に高野被告が供述するように佐藤さんは感情の浮き沈みがよく見られた。距離を置こうとしたと思ったら、少し時間を置くとまた高野被告と関係を修復しており、そんなことが続くためか、高野被告も佐藤さんの突発的な言動にも徐々に慣れていった。メッセージからは「感情をぶつけていいよ」などと受け止めようとする態度もみられた。そういった意味でも、関係性は悪くないという印象を持った。 同年8月、佐藤さんが「私に会いたい?」とメッセージを送ってから事態は急変する。 この言葉を誘い水にしたかのように、深刻な金銭トラブルに発展していくのだ。この時点で、佐藤さんは先の事態をどこまで想定していただろうか。その答えを知る術はない。 後編記事では、高野被告が複数の消費者金融にお金を借りてまで佐藤さんにお金を貸した経緯や、高野氏が追い詰められていく様子について詳報する。 (後編記事につづく) ◆取材・文/普通(裁判ライター)
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