新しい防災気象情報 スッキリ高潮警報 旧警報はかなり分かりづらかった【暮らしの防災】
新しい防災気象情報、今回は「高潮警報」です。海の近くにお住まいの方、海で仕事をされている方、もしくは釣りやサーフィンなどレジャー・スポーツで海に行かれる方以外は「高潮警報」に接する機会が少ないと思います。しかし万が一もあります。スッキリしてわかりやすくなった「新しい高潮警報」を紹介します。そもそも高潮とは?高潮と津波の違いは?など、基礎的なことも含めておさらいします。 台風や発達した低気圧が来ると、波が高くなると同時に海面も上昇します。これを「高潮」といいます。高潮も波の一種ですが、周期が数時間と非常に長いため、「波というよりむしろ海の水位が全体的に上昇する現象」と理解してください。 高潮には「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」があります。 ■吸い上げ効果=気圧が下がると海水が吸い上げられることです。1hPa下がると、海面が1cm吸い上げられます。 ■吹き寄せ効果=海側から陸地に強風が吹いた時、海水が吹き寄せられ海面が上昇することです。 海水のボリュームがけた違いに大きいため、一旦浸水が始まると、低地には浸水被害が一気に広がることになります。
これは分かりづらい 旧高潮警報
旧警報の図です。赤線で囲った「高潮」の欄を見て下さい。 レベル3相当に「警報に切り替える可能性が高い高潮注意報」。4相当に「高潮警報」と「高潮特別警報」が同居。5相当に「高潮氾濫発生情報」と、かなり分かりづらい状態でした。 それぞれ説明を聞けば、どうしてこうなったのか分かりますが、初めてこの情報に接した人が、パッと見で直観的に危機が迫っていることを理解するには、ちょっと…という状態でした。
スッキリ!新高潮警報 最も危ない時間帯から逆算で発表
新しい防災気象情報で「高潮警報」はスッキリし、わかりやすくなりました。高潮は気象現象によって起こります。 日本の気象解析技術はしっかりしているので、いつ頃が高潮のピークになるか事前に予想できます。「高潮警報」は、そのピークから逆算して、注意報→警報→危険警報→特別警報と発表されます。ここは、ほかの災害への警報と大きく違うところです。 高潮注意報が発表された段階で、危険な場所から計画的に避難して下さい。 ◇ 被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。 ■五十嵐 信裕 東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。