「強迫症」当事者が打ち明けた苦しみ その原因と治療法は? 専門の精神科教授にインタビュー
強い不安に襲われ、打ち消そうと同じ行動を繰り返してしまう…。 「強迫症」(強迫性障害)は、決して珍しい病気ではありません。 2人の当事者が、その苦しさを打ち明けてくれました。 そして九州大学精神科の中尾智博教授に、強迫症とは何なのか、どう治療するのかについて聞きました。 【関連】強迫症に向き合うカウンセラー ゆるく・軽やかなアプローチを試行錯誤 名古屋市に住む27歳の男性は、かつてオリンピックを目指していた元スイマーです。 高校卒業後、県外の水泳の強豪大学に進学。 水泳部の寮を出て一人暮らしを始めたばかりの頃、異変が起きました。
27歳元アスリートが語る強迫症
「授業でリポートを書く時、ペンを持つ手が震えて、名前も書けなくなったんです」 「体調が悪い」と退出して保健室に行ったところ、「メンタルの問題ではないか」と受診を勧められました。 小学生の頃から、授業の板書をきっちりとノートに写す子でした。 「内容を覚えるより、板書を完璧に写すのが命というくらい。でも大学の授業はスライドがどんどん出てきて追いつかない。走り書きしたようなノートが汚く思えて、何度も消して書き直していたんです」
やがて引きこもりのように
できないことは、だんだん増えていきました。 夜の浴室。 「髪を洗う時、シャンプーをつけた髪への指の通り方がすごく気になるんです。髪の毛すべてにまんべんなくシャンプーが行き渡っていないんじゃないかって」 髪をずっと洗い続けて、浴室を出た時には、カーテンのすき間から朝日が差し込んでいたこともあったといいます。 そして、布団から起きる時。 「背中がすごく敏感になって、背骨の一つ一つが順番に曲がるように起きないと気持ちが悪いんです。寝ては起きてを繰り返して、最後は疲れきって起き上がれなくなりました」 日に日に布団から出ることが困難になり、カーテンも開けられず、気づけば引きこもりのようになっていたといいます。 医師からは、強迫症に加え、自閉スペクトラム症と診断されました。