肺炎は80代で急増するのに なぜワクチンは60代で考えるべきか
効果が最も高いのは65歳前後 必要性のピークは80代以降
では、どの年齢で接種するのが最も効果的なのでしょうか。実は、ワクチンの効果が最も高いのは65歳前後です。免疫の反応がまだしっかりしているため、抗体ができやすいからです。 ただし、ここで重要なのは、肺炎で亡くなる人が最も多いのは80歳以上だという点です。つまり、効果のピークは65歳でも、必要性のピークは80代以降。元気なうちに備えておくことが、将来の安心につながります。 一方で、費用の問題で迷う方も多いでしょう。自治体の助成があっても、定期接種(65歳)の自己負担額が6000〜8000円になる地域もあります(平均は3000〜4000円)。そのためか、日本の接種率は3〜4割程度に留まっています。 しかし、肺炎は一度かかると入院が長引き、体力が著しく落ちてしまう病気です。「肺炎をきっかけに寝たきりになった」「退院後に元の生活に戻れなかった」というケースは珍しくありません。 ワクチンは〝肺炎にならない魔法の薬〟ではありませんが、重症化を防ぎ、命を守る確率を確実に上げるという点で、医療現場でも強く推奨されています。 肺炎球菌ワクチンは「自分のため」だけでなく「親のため」「家族のため」でもあります。70代・80代なら、誤嚥性肺炎のリスクはすでに高く、ワクチンの恩恵を受けやすい年代です。「CMを見て『本当に必要なの?』と迷ったときこそ、自分と家族の未来を守るためにワクチンを接種するタイミングです」(木田医師)。 ◎監修:木田厚瑞医師(呼吸ケアクリニック東京名誉理事長)
木原洋美(医療ジャーナリスト)