安倍晋三元首相は4年前の7月8日、遊説先の奈良・大和西大寺駅前で凶弾に倒れ、帰らぬ人となった。今でも、思い出すと胸が締め付けられる。命日の少し前、遺品が並ぶ「安倍晋三回顧展」を訪ねた。12日まで東京・有明の「東京ビッグサイト(TFTホール)」で開催中だ。17日からは奈良に会場を移す。
東京会場では、入口近くのスペースでゆかりの人々らがVTRでメッセージを語っていた。安倍氏の外交アドバイザーだった米国弁護士の村瀬悟さんも述懐していた。村瀬さんの人脈も駆使しながら、安倍氏は日米外交だけではなく「地球儀を俯瞰する外交」に尽力した。私も安倍外交について語っている。
痛ましさ、無念さ伝わる
遺品の数々を間近で見ると、改めて銃撃事件の痛ましさが伝わってきた。議員バッジや北朝鮮の拉致被害者の救出運動のシンボルであるブルーリボンバッジという、安倍氏が「命」としてきたものを撃ち砕いた事件のむごたらしさ。政治家として前を向いて政策を訴えていたときに、背後から撃たれたことへの無念さも伝わってきた。
回顧展では、安倍氏の功績をデジタルで後世に残そうと、主催者側の若い人たちの発想でAI(人工知能)を駆使し、外遊や遊説先を全部、丹念に調べて地図に落とし込んでいた。
安倍晋三元首相の回顧展始まる 銃撃で砕け散った議員バッジや演説マイクなど遺品100点
私自身、外遊取材などで同行した記憶が一瞬でよみがえってきた。ご縁があった人もなかった人も、皆さんがいろいろと安倍氏について想起できるような工夫が随所にあった。会場には濃密な空間が広がっていた。
安倍元首相が願った日本の姿を継承
現在の高市早苗政権は「日本列島を、強く豊かに」をスローガンにしている。そのコンセプトは、安倍氏が願っていた日本の姿そのものだ。日本の産業を成長させて強くする。安倍氏がやろうとしたことを、高市首相はそのまま継承している。