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夏の幹部人事に「異変」が…

今夏の幹部人事で、新川次官のほか、宇波弘貴主計局長(1989年同)、坂本基官房長(1991年同)、青木孝徳主税局長(1989年同)ら主要幹部が軒並み留任したのは、消費税と森友という二正面作戦を乗り切るために「守り」を固める狙いがあった。

中でも、霞が関で注目を集めたのが、理財局長人事だ。国会での野党による森友問題追及の矢面に立つことを前提に、出世レースから外れ、沖縄振興開発金融公庫の副理事長に天下っていた井口裕之氏(1990年同)を急遽、局長に呼び戻した。問題発覚後の2017年夏から同局の国有財産企画課長や総務課長として事態の収拾に当たった「実績を評価したため」(次官OB)というが、異例の人事には、過去の汚点を蒸し返されることへの財務省の強い危機感がにじんだ。

「野党から袋叩きにされるサンドバック役を覚悟している」という井口氏は着任早々、局内に「森友文書対策チーム」を立ち上げ、個人名などを消す「黒塗り」の必要性を含めた開示文書のチェックや、臨時国会に備えた想定問答づくりなどに奔走している。

物価高やトランプ関税対策などを名目に与野党から財政拡張圧力が高まる中、理財局にとっては財政の円滑な資金繰りを図る国債管理政策も大きな使命だ。実際、債券市場では財政健全化の後退リスクを織り込んで超長期国債の金利が上昇、経済に悪影響を及ぼすことが懸念されている。にもかかわらず、井口局長は「自分の最大のミッションは森友対応」と公言して憚らない。

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驚くべきは財務省の組織防衛姿勢の徹底ぶりだ。改ざん問題のような不祥事の再発防止を担う公文書管理官には、岸田文雄前首相の秘書官を務めた主計局畑のホープ、一松旬氏(1995年同)を起用。森友文書の大量開示によって財務省の組織体質に世論の厳しい目が再び向くとにらみ、実力官僚を配置して改革姿勢をアピールすることに余念がない。

一方で、安倍政権当時、危機管理を仕切った菅義偉官房長官の秘書官を務めた主計局畑のエース、寺岡光博氏(1991年同)はあえて中枢ポストから外し、関税局長に「逃がす」という深謀遠慮をうかがわせた。下馬評では、官房長への昇格説も取り沙汰されていたが、「森友問題での安倍官邸の介入の実態を知る寺岡氏を国会での追及にさらさせるわけにはいかない」(主計局筋)との思惑からだ。

宇波氏の次官昇格が確実視される来夏には、寺岡氏が後継の主計局長として表舞台に復帰し、主税局長となる坂本氏と「同期2人次官」を輩出するシナリオも構想されているというから、恐れ入る。

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