春の県王者でAシード浦和学院は、夏に向けて一段とチーム内の競争を激化し高め合ってきた。最後の甲子園出場は3年前の2023年夏。現メンバーは夢舞台の景色を一度も見ておらず、夏制覇は選手全員の悲願だ。主将の蜂巣は「自分たちは勝ちに飢えている。人生を懸けた勝負。高校野球に全てをささげる」と覚悟をにじませる。
夏を戦う選手たちの心に隙は一切ない。関東大会準優勝と結果を残した春季大会を終えてから、練習中では「それが甲子園で通用するのか」という言葉が増えた。「春に勝てたから大丈夫ではなく、チームがより厳しくなった」と蜂巣は変化を感じ取る。
玉栄と内藤を筆頭に強打者が並ぶ打線と、エース日高を軸に層が厚い投手陣を抱え戦力は充実。直近の練習試合では県外の強豪校を相手に接戦を勝ち切り、試合運びも熟達している。目線は埼玉大会優勝の先にある、最高成績「夏の甲子園ベスト4」だ。
■鍛えた守備で勝利を/Aシード・花咲徳栄
春夏連続の甲子園を狙うAシードの花咲徳栄。Cシードとして臨んだ昨夏は、独特の空気感にのまれて自分たちのプレーができず、4回戦で姿を消した。主将の本田は「夏の1試合を勝つ難しさを実感した。緊張感を持ってやりたい」と、夏舞台に向けて気を引き締める。
今春の選抜大会は8強入りしたものの、準々決勝では8点差を守れずに逆転負け。県準優勝で挑んだ春季関東大会では守備が乱れてコールド負けを喫した。悔しい敗戦を経て1点の重みを全員で共有。課題の守備を磨いてきた。自慢の打線で先制して勢いに乗り、鍛えた守備で守り抜いて勝ちをつかむ意気込みだ。
再び聖地を踏み締めるため冷静に足元を見つめる。本田は「少しずつ熱量が上がってきている。まずは一戦一戦を大切に戦い、最終的には日本一を取りたい」。悔しさを力に変え、一回り大きくなった姿を集大成の舞台で見せつける。
■“41年ぶり”へ初心で/Bシード・立教新座
Bシード立教新座は立教時代以来、41年ぶりの甲子園出場を目指す。春の県大会では自慢の粘り強さを披露し、4強入り。ただ、準決勝で浦和学院に5―17で大敗し、主将の筒井は「まだまだ実力の差がある。あの敗戦で初心に返ることができた」と春の結果を糧に、大会に臨む。
打撃を強化し、試合状況を想定した実戦練習を重ねてきた。筒井は「しっかり振り込んできた。みんないい打球を飛ばしている。久しぶりにみんなで甲子園に行く」と頼もしい。OBの思いも背負い、聖地へ一歩ずつ歩みを進めていくつもりだ。
■経験武器に悲願狙う/Bシード・昌平
2年連続で準優勝のBシード昌平が、悲願の初優勝を狙う。昨夏のメンバーが9人残り、経験は豊富。主将の佐藤光は「まずは初戦の入り。一回の攻防、1打席目を特にこだわって、秋春とは違う一発勝負を勝ち抜きたい」と決意を新たにした。
しぶとく粘り強い野球を信条に、攻撃力に磨きをかけてきた。昨夏から主戦で出場している大倉や斎藤ら力のある打者を上位打線に置き、積極的に仕掛ける展開を目指す。佐藤光は「場面に応じた最善の攻撃をして、得点力で勝負する。やってきた力を信じる」と最後の夏の頂へ、気合をみなぎらせた。
■優勝旗返還 決意新た/前回V・叡明
昨夏優勝校の叡明はノーシードから連覇を狙う。チームとして先頭で行進し、優勝旗を返還した主将の鈴木彩は「前回の優勝校として堂々と挑みたい」と決意を新たにした。
春の県大会では初戦で武蔵越生に敗退。チームに足りない部分を常に考え、試行錯誤しながらも投手を中心とした守備や攻撃につなげるリズムを意識し、練習を積んできた。
初戦の相手が姉妹校のCシード浦和麗明となり、チームの士気もぐんと上がったという。鈴木彩は「練習試合では打線がつながり始め、いい方向に行っている。連覇へ、まずは初戦を必ず勝ち切る」と気を引き締めた。