福井中3殺害再審無罪、証言の誤り検察官6人把握 名古屋高検が公表
1986年の福井中3殺害事件で服役した前川彰司さん(61)の再審無罪を巡り、名古屋高検は10日、裁判に関わった検察官らに聞き取るなどした調査報告書を公表した。
再審無罪の決め手となった知人証言の誤りについて、一審以降少なくとも検察官6人が把握していたと認定。当時、裁判所などに明らかにしておらず「一貫して反省すべきものだ」と記した。
第1次再審請求段階で開示していれば、早期に再審無罪となった可能性も十分考えられるとした。
前川さんの第2次再審請求審で、重要証言をした知人が見たとしたテレビ番組について、検察は放送日が違ったことを把握していたことが判明。2025年7月の名古屋高裁金沢支部の再審無罪判決は「罪深い不正の所為と言わざるを得ず、到底容認できない」と非難していた。
調査結果を受け、前川さんは「検察に非があったことが明らかになった」と話した。
高検は当時の検察官計17人を聴取。調査報告書では、一審を担当した検察官1人は公判途中、放送日の違いを把握したが、そのまま論告などをしたと認定した。この検察官は聞き取りに応じなかったという。
前川さんは服役後に再審請求を申し立てた。第1次再審請求審を担当した検察官3人、再審請求の異議審を担当した検察官2人も放送日の違いを把握していたことが判明。聞き取りを通じ重要な証拠と認識していなかったことなどが分かった。
高検の浜克彦次席検事は「国民の検察に対する不信を招いたことを真摯に反省し、反省点を踏まえた再発防止策を周知・徹底する」と述べた。
前川さんは第2次再審請求で2024年10月、再審開始が決まり、25年8月に再審無罪が確定した。高検は今年5月、調査実施を表明していた。〔共同〕