◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
数字はウソをつかない? それは真実か。アマチュア野球の取材対象には、将来プロで活躍するドラフト候補もいる。見ていない読者に、限られた文字数で魅力を伝えるため、有名選手に似た「〇〇2世」などの表現や、データなど数字も多用する。
今春の関西学生リーグでは各校の4年生エースがしのぎを削った。リーグ戦未勝利だった関大・米沢友翔(金沢)が大ブレイク。大学選手権で54年ぶりの日本一を達成しMVPに輝いた。昨秋の明治神宮大会で10者連続三振を記録した立命大・有馬伽久(愛工大名電)、近大・宮原廉(崇徳)、関学大・飯田泰成(春日)が名勝負を繰り広げた。
米沢と有馬の左腕対決には全12球団のスカウト20人が視察。平日開催の米沢と宮原の投げ合いには同47人が訪れた。注目度を証明するデータでもある。
投手を巡る数字に球速がある。右腕の宮原は154キロ、左腕では有馬が151キロ、米沢は149キロ、飯田は147キロが自己最速だが、少々厄介でもある。
宮原の登板時に球場のスピードガンが157キロを表示もファウルとなり、本人は「あれは誤測ですね」と淡々。リーグ戦序盤に「最速151キロ」と報じられた飯田に後日確認すると「絶対出ていません」と完全否定。スカウトのガンで“大台突破”の米沢も「関大のガンは149キロだったので出したいです」と冷静だ。
たかが1キロ、されど1キロ。速い=正義ではない、自らの感覚も加味しての“最速”へのこだわりが好投手たる理由なのか。数字とともに選手の思いもくみ取って魅力を伝えたい。(アマ野球担当・高柳 義人)
◆高柳 義人(たかやなぎ・よしひと) 関大が勝利した大学選手権決勝で母校・慶大の応援歌を久々に聞く。試合後の両校のエール交換に感動。