情報の宝庫「CAT端末」を狙って…
したがって、全東信の業績悪化や不祥事について少しでも知っている人間であれば、今回の破産が報じられる前に、ある程度対策を講じることができたかもしれない。とはいえ、それはあくまで情報に敏感な事業者の話だ。永田氏が続ける。
「どうしても情報が乏しい地方の飲食店などでは、『全東信が危ない』と考えたことすらない人ばかりだったはずです。実際、6日に破産手続き開始の決定がなされた後、本来なら全東信の端末使用を即時停止すべきところを、知らずに使い続けてしまい、未入金の売上代金が膨らんでしまったという事業者がいるくらいです」
言葉を選ばなければ、“情報弱者”に陥っている飲食店の事業者たち――。さらに恐ろしいことに、永田氏によれば、そんな彼らを狙う「火事場泥棒」の出現が今後危惧されるという。いったいどういうことなのか。
「全東信の破産にあたって、差し当たり飲食店に求められる対応として、入金されていないカードの売上代金を集計することです。全東信より最後に入金があった日と、それ以降にカード決済した金額について、『CAT端末』と呼ばれるカード決済端末を使って確認・記録しなくてはいけません。この情報が債権届出や、その先のつなぎ融資などの対策に必須となります。
仮に、このCAT端末を第三者に盗まれたとしたらどうでしょうか。まず未入金分の回収は困難になるほか、最悪の場合、第三者が事業者の名を騙って不正に融資を受けたりする可能性が考えられます。そうならないよう、まずはCAT端末を手元でしっかり管理しておくことが重要なのです」
全東信の破産による余波はさらに広がりを見せそうだ。
【後編記事】『「全東信という猛毒」におかされた地方歓楽街の悲惨な末路…そして「情弱な店」からどんどん潰れていく』につづく。