セブン&アイ資本提携で独立路線に転機、AI活用で企業価値向上へ
(ブルームバーグ): セブン&アイ・ホールディングスと、PayPayやソフトバンクらによる資本提携が実現すれば、独立路線を歩んできたセブンにとっては転換点となる。決済や通信事業のノウハウを取り込みながらデジタル化を進め、長年の課題だった株価向上につなげられるかが焦点となる。
コンビニ大手3社では、ファミリーマートが2020年に伊藤忠商事の完全子会社となり、ローソンは24年から三菱商事とKDDIが共同経営体制に入った。一方、セブンは物流面で三井物産と深く関わるなどさまざまな企業と提携するが、資本面では独立路線を貫いてきた。
ただ、ここ数年の既存店売上や客足の伸びでは、セブンはライバルに後れをとっている。業績の停滞による株価の低迷は、カナダのコンビニ大手クシュタールからの買収提案を受ける一因となった。自力成長による企業価値の向上を掲げてきたものの、市場の期待を高める成果を十分に示せていない。
決済事業や通信事業者との資本提携には、AIを活用した業務効率化や、決済サービス拡充による来店動機の拡大につなげる狙いがあるとみられる。経済圏の拡大を巡る競争は、コンビニ最大手を巻き込んで一段と過熱する可能性がある。
ファミマは楽天経済圏に参入
ファミリーマートは5月、楽天経済圏に本格的に参加すると発表した。ファミマで月3000円以上買い物すると、ECモール「楽天市場」での買い物時のポイント付与率が上がる仕組みを導入した。
楽天ポイントが付与された国内月間アクティブユーザーは3月時点で約4600万人。ファミマは楽天ポイントを積極的にためたい顧客を取り込む有力な集客装置を手に入れたことになる。
ポイントサービスの普及でコンビニは利用者の属性や購買動向を把握しやすくなった。決済事業者や通信事業者が加われば、他店での購買履歴や人流などを含む、より幅広いデータを活用できる可能性がある。消費動向の分析精度が高まれば、販促やアプリ広告の効果向上につながる。