「入金がなければ死活問題だ」 クレジット決済代行「全東信」破産で夜の繁華街はパニック状態
■「加盟店が取れればコンプライアンスなんて」 業績はうなぎのぼりで、2018年9月には加盟店が20万店を超えた。20年3月期の売上高は約82億円にまで伸びた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店や夜の街の営業が縮小。閉店に追い込まれる店もあり、業績は悪化した。また、不祥事も重なった。 24年1月、風俗店にクレジットカード決済システムを導入するため、無関係な人物を店の代表とする虚偽情報をカード会社に送ったなどの私電磁的記録不正作出などの疑いで、全東信の幹部らが逮捕されている。 「風俗店では、過去にトラブルがあったオーナーの名義では審査が通らない。まったく関係ない第三者の名前を使い、警察にやられた。また、ぼったくりバーのような店はさすがに審査が通らない。別の店の名義で審査を通し、通常の手数料5%ほどに加えて10%ほどを上乗せして、営業マンがキックバックを受け取るなどしていて、警察に摘発されたこともある。加盟店さえ取れれば、コンプライアンスやガバナンスなんて、という社内の雰囲気があった」(Aさん) ■声がひっくり返った金融機関の担当者 Aさんのもとには、全東信に融資している金融機関から、破産を知って連絡が入ったという。 「電話してきた金融機関の担当者は、声がひっくり返るほど驚いていた。うちはクレジットカード会社から入金される前にお客さんに支払いをするので、現金が必要。その調達先が主に地銀系金融機関の融資でした。全東信への融資は無担保で金利が高いそうです。これから全東信に融資していた金融機関の経営も危なくなると言っていました」 全東信に加盟している大阪・ミナミの飲食店オーナーBさんにも話を聞いた。 「昨日までに入る売り上げは、銀行口座を確認すると入金されていた。その次に入金予定の売り上げは150万円以上。これが入金されないと、店の経営が危うくなる。電話で問い合わせたがつながらず、不安でなりません。全東信は、決済の期日が早くて本当に重宝していたのに、こんなことになるとは」 この日はお客さんに頭を下げ、全東信が経営破綻のニュース記事をスマホで示しながら、「現金で払ってとお願いするばかりでした」(Bさん)。