作文校──とある書きものの書文学校
ここは、おもだって作文の宿題を生徒に出される、作文校である。涼真は、作文が好きでこの学校に進学した。彼女である真日比貴子(まひゆたかこ)も、文章というものが自分の生活の中心であったことを、涼真に明らかにしていた。涼真は、廊下の柱に、文字で「貴公子、書に溺れず」と書いてあるのを自分の座右の銘にしていた。涼真は、「真日比はどんな言葉を座右の銘にしているの?と尋ねた。真日比は、「古池や、真日比散らばる、胸の音」という自作を大事にしていた。「へえ、古池や、の意図は何だろうね」と涼真はニコッとした。真日比は、「古池が自分の胸にあって、共に自分と散らばるところ」と答えた。そこに、同級生の鳥取が現れ、俺の座右の銘は、「好く人に 好かれることは 嬉しいな いつもふたりで 仲良い暮らし」だ、と言った。涼真は、「まあまあだな」と頭を掻いた。鳥取は、「まあまあかあ。世の中厳しいな」と笑った。真日比は、意外にも、「いつもふたり、とは誰と誰なの」と呟いた。鳥取は、「いいや、特に誰かという想定をしたわけではない。まあ、思い付くのは、アダムとイヴだな」といった。真日比は、「それなら、いつもふたりで 永遠暮らし」の方が、合う」と呟いた。


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