幸せとは何科──とある病院での暮らし
ここは、幸せとは何科という、都会の病院である。幸せについて考える人が吐き気や精神疾患を発症するという事例が二、三十年前から報告されてきたのが現代では周知の事実である。しかし、三十年前は、なぜ幸せについて考える人が吐き気を生じるのか、全く理解できなかったのである。近年では、幸せについて考えることをロシアの王子が非難・処罰していたことが要因であると報告されている。それだけではない。スペインの王様も、スぺインの特務秘書も、スペインのホテルマンも、幸せについて考える人がいることを忌み嫌って、心で「幸せを考えたら吐き気がする」と裁いていたという報告もされている。これにより、幸せを考えたら良くないという風潮が発現したことは、幸せとは何科でも広まっている。幸せについて考えにくい社会になったということは、言うまでもないであろう。幸せとは何科では、吐き気を催すことを厭わない、そんな暮らしをする、吐き気マンという方が入院している。吐き気マンは、吐き気をしたい、という変質者であり、しかし、幸せについて考えることを諦めない、幸福主義者なのである。吐き気を齎すことを目的とし、敢えて幸せについて考える、という。


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