潜性ちゃんねる──とある部活の新鋭隊
恵美子、もう逢えないなんて信じたくないよ……理久は少々微笑みながら、恵美子の眠る墓標に話しかける。去年、恵美子は部活の準リーダーとして恐怖の街を精一杯守ってきたのだが、怪獣に背中から襲われ、亡くなった。理久の所属する部活は、学校の部活ではない。大人用の、いわばオフ会や口頭で集った強者の集まりである。理久は第三番隊に所属し、研五郎と時宗も同席していた。研五郎自身、恵美子のお墓参りをすることはおおいに賛同していた。時宗は、一昨日入団したばかりで、恵美子と面識はなかった。研五郎は、「恵美子さん、また来ましたよ」といって微笑んだ。恵美子の幻聴が聴こえてきた。「理久、あんたは、強いよ」という風に。「研五郎も、勇気は人一倍あるんだね」という幻聴は、研五郎を励ましたようだった。理久は、自分自身が強いということを実感したよい機会であった。幻聴というのは誰に聴こえるのか、また、どのような幻聴がめぼしいのか。潜性ちゃんねるという集団では、街のデータをとることがあり、正義の味方であると言われている。正義とは何か、正義の反対もまた別の正義ではないか。ひとりで孤独に過ごす街のデータを取ろうと、恵美子は考案した。


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