2026年9月3日に発売予定となるダークファンタジー・アクションRPG『The Blood of Dawnwalker』。本作のメディア向け先行体験会にて、ナラティブディレクターのヤコブ・シャマレク(Jakub Szamałek)氏へのインタビューが実施されました。
本作のコンセプトや世界観、先行プレイを通して気になった点やスタジオについてなどをお聞きしました。
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――本作は一つの物語で完全に完結しつつも、数百年の時を経てプレイヤーの結論が次作の現代社会に引き継がれるというふうにお聞きしています。プレイヤーの選択が次回作にどのように影響を与えていくのか、教えていただける範囲でお答えください。
ヤコブ・シャマレク(以下、ヤコブ):私たちはこれをスタジオとしての壮大なサーガ(叙事詩)にしたいと考えており、本日体験していただいたゲームは、第一部となります。複数のタイトルにわたって展開する壮大な物語として感じていただけるものにしたいですし、今後の作品ではそれぞれ時代を進めていくつもりです。現在は中世が舞台ですが、そこから歴史をたどり、現代に至るまで物語を進めていく予定です。
そして第一の作品の中での重要な選択や出来事を次のゲームへ持ち越されるようにするつもりです。きちんとそれぞれのゲームが繋がっていく気持ちでプレイできるよう組み立てていく予定です。
そして、それぞれのプレイ体験を少しずつ異なるものにし、プレイヤー自身が物語を紡いでいるという感覚を大切にしたいと考えています。
ぜひ後で他のプレイヤーと情報を共有し合ってみてください。コーエンの母親が生き残ったか、あるいは亡くなったか、ウラジーミルが生還したか、それともコーエンに「飲まれて」しまったか……。そうすれば、主要なNPCであっても、プレイスタイルや行動次第でゲームの展開が劇的に変わることに気づくでしょう。
――ヴァンパイアや吸血鬼というと、一般的にはコウモリのイメージがあると思います。ですが、このゲームでは象徴として「赤い蛾」のようなものが描かれていました。あれは吸血鬼と関係や、何かイメージがあるのでしょうか。
ヤコブ:そうですね、蛾はゲーム全体を通して重要な役割を担っており、様々な場所でその姿を目にすることになるでしょう。あまりネタバレはしたくありませんが、蛾は基本的に「異世界」や「別次元」とのつながりを示唆する存在です。そして、この世界における吸血鬼も、その異世界と何らかの関わりを持っています。
ゲームを進めていくと分かると思いますが、世界観や背景設定(ロア)がどこか一か所にまとめて提示されていたり、最初から最後まで順を追って読めるようになっていたりするわけではありません。むしろ、プレイヤー自身にその気があれば、各地に散らばる断片を組み合わせて謎を解き明かしていくような形になっています。
私自身、専門は考古学ですので、絵画や遺跡といった物質文化を扱うのは本当に楽しいですし、深く掘り下げていくことには大きな価値があると感じています。
――ちなみに、海外では蛾に対してどのようなイメージや、象徴として使われているのでしょうか。
ヤコブ:夜のシンボルのひとつです。そして、蛾は光というものに惹かれますよね。彼らは光に惹かれますが、それが死を招くこともあるのです。
コーエンもまた、渇望や欲望に駆り立てられ、それが彼の破滅につながることもある。それを体現していると言えるでしょう。
――そのロアは世界観を構成するフレーバー的なものなのでしょうか。それともコーエンの物語にしっかりと絡んでくるようなものなのでしょうか。
ヤコブ:ここで言うロアとは、世界そのものの構成や設定を指しています。本作の舞台は中世ヨーロッパですが、現実世界とは異なる独自の要素も含まれています。
また、主人公であるコーエンには彼自身の過去があります。ゲームをプレイしていく中で、その歴史を紐解いていくことになります。そして彼には、家族の「暗い過去」も存在しています。
ただ、本作の他の多くの要素と同様に、最後までプレイしてもその過去に触れないまま終わるプレイヤーもいれば、逆にその過去が体験の大きな部分を占めることになるプレイヤーもいるでしょう。
――友情や恋愛など、特別な関係が育つキャラクターはいるんでしょうか。また、夜になると相手を殺してしまう選択肢が出るのですが、特別な関係があってもその選択肢を選べてしまうのでしょうか。
ヤコブ:親密な関係を築けるキャラクターは複数存在します。友人になれる人もいれば、味方になってくれる人、そして恋人になれる人もいます。まあ、いわゆる「カップルとしての誓い」のようなものとは少し違うかもしれませんが……。
ただ、人々と深く関わる際には、「血への飢え」に十分注意しなければなりません。夜間に会話をした相手であっても、血への飢えをうまくコントロールできていなければ、最終的に死なせてしまう可能性があるからです。ですから、自分の行動には細心の注意を払う必要があります。
私たちは、主人公コーエンの吸血鬼としての性質を、単なる力ではなく「諸刃の剣」のようなものとして感じてほしかったのです。もちろん、吸血鬼ならではの強力な能力を使ってプレイできるという魅力はあります。しかしその一方で、理性を失い、大切な人を傷つけてしまうかもしれないという脅威とも隣り合わせです。プレイヤーには、そうした重荷を常に意識しながら行動することが求められるのです。
――プレイの仕方によって展開が変わるということは、何回でも遊んで楽しめると思うのですが、一回あたりのクリアのボリュームはどれくらいなのでしょうか?
ヤコブ:本当に様々な時間が考えられます。我々の開発の柱の一つには、「見えない壁を作らない」というものがありました。プロローグが終わると、オープンワールドが開かれますよね。そして目標地点、つまり城内の家族がいる場所が分かります。もしあなたがそう決意し、自分のゲームスキルに自信があるなら、初日からそこへ行くことができます。1日目に家族を救うことも物理的には可能なんです。しかし、それは非常に困難です。
ですから、ほとんどのプレイヤーは、成功を確実にするために、レベルアップや同盟の構築に時間を費やす必要があるでしょう。しかし、本当に強い意志があれば、挑戦して成功することを妨げるものは何もありません。
一方で、プレイヤーが探索できるコンテンツは非常に豊富です。キャラクターを十分に強化して「どんな事態にも対応できる」と確信してから、ブレンシスの軍勢たちに立ち向かうことも可能です。プレイ時間としては、くまなく探索をする場合、60時間以上は楽しめるでしょう。
また、私にとって非常に重要だった点の一つは、敵役である「フランシス」が、ただ城に座って事態を静観しているような存在ではないということです。プレイヤーが積極的に行動し、彼の支配体制を脅かすようになればなるほど、彼はプレイヤーを阻止しようと動いてきます。いわゆる「評判」のようなシステムがあり、オープンワールドでの活動を通じて自身の存在や脅威度が知れ渡るにつれ、それに応じて世界も変化していくのです。
脅威として認識されるようになれば、賞金稼ぎが差し向けられ、命を狙われることになります。ですから、自分の存在をどれだけ世間に知らしめるか、そのバランスをうまく管理していく必要があるわけです。
――30日以内に家族を救わなくてもゲームは進むそうですが、30日を過ぎたら別の目標ができるのでしょうか。
ヤコブ:新たな目標は、彼らの仇を討つ「復讐」になります。つまり、家族が死んでしまったとしても、城に乗り込み、フランシスに報いを受けさせることはできるわけです。
――もし30日で家族を救ったら、ひとまずそれでハッピーエンドになると思うのですが、そこからまた新しい展開が生まれてくるのでしょうか?
ヤコブ:あまり詳しくは言えませんが、家族を救った後彼らに何が起こるのか、街や地域、キャラクターたちがどのように変わっていくかに注目してみてください。家族を救うという目的を果たすにしても、そのための方法はいくつかあります。単純明快な方法もあれば、知恵や謎解きの要素が絡む方法もあります。そして、谷の未来はプレイヤーの選択次第で変わりますから、自分の選んだ行動によってこの場所の未来がどう展開していくのかを見届けることになるのです。
ミステリアスな要素や謎、といったところでしょうか。ネタバレはしたくありませんが……そうですね、驚きのある要素が含まれている、と言えるかもしれません。
つまり、プレイヤーの選択次第で、ゲームの結末(世界のあり方)は実に多岐にわたるということですね。
――短期間のプレイヤーの目標は家族を救うことになりますが、今回プレイしてコーエンは人間として生きるか吸血鬼として生きるかの選択肢にブレがあったと感じました。吸血鬼としてのコーエンと、人間としてのコーエンで家族と一緒に暮らす幸せは違う。そのように、家族を救うというのは一つの意味だけではないのかなと。
ヤコブ:そうですね……必ずしも単純にハッピーなものになるとは限りません。もっと複雑なものになります。私たちは、善と悪の境界にある「グレーゾーン」を探求することに面白みを感じていますから。ですから、そうした雰囲気を期待していただければと思います。おっしゃる通り、人間性をいかに保つかという葛藤は、このゲームの重要なテーマの一つです。
また、プレイヤーの振る舞いも重要になります。血への渇望に自ら身を委ね、コーエンを血に染めていくことを選ぶのか、それとも人間性を守るために血の使用を最小限に抑えようとするのか。そうした選択は、周囲のキャラクターがあなたにどう接するかにも反映されていくことになります。
つまり、ゲーム側がプレイヤーの行動を認識し、それに応じた反応を返す仕組みになっているわけです。吸血鬼として振る舞えば、それに見合った結果が待っていますし、コーエンの人間性を保つようにプレイすれば、それに即したゲーム体験が得られるということです。
例えば、吸血鬼として多くの血を摂取すれば、新たな能力や選択肢が解放され、ゲームプレイの幅が広がります。これが一つの側面ですね。そしてもう一つは、道徳的な側面です。このゲームはプレイヤーの行動を記録しており、その選択がストーリー展開に影響を及ぼすようになっています。
――ゲーム側が気付くというと、例えば多くの人を殺していると人助けをしても信じてもらえなかったり、逆に良いことをしていたのに突然悪いことをしたら相手が物凄くショックを受けたりと、反応の違いがあったりするのでしょうか。
ヤコブ:全てではありませんが、キャラクターによってはそのような状況が生まれます。裏切りという行為を行ったときに、相手が深く裏切られたと感じるようなNPCも存在します。
私自身の考え方やゲームの書き方として、プレイヤーが選択を迫られるその瞬間に、いかに強い緊張感を生み出せるかを重視しています。プレイヤーには常に、「この決断が物語の今後の展開にどう影響するのか」、そして「自分が下した決断に対してどう感じるのか」を自問自答してほしいと願っているんです。
時にはゲーム側から「悪いことをした」と指摘されることもあるでしょう。しかしその後、あなたが暗闇の中でベッドに入りながら、「自分は正しいことをしたのだろうか?」と思いを巡らせるような体験をしてほしいと考えています。
つまり、重要なのはプレイヤーの頭の中で何が起きているか、ということなんです。たとえゲームが「それは悪いことだ」と言ったとしても、プレイヤー自身は違う考えを抱くかもしれませんからね。
――黒死病が蔓延した14世紀を舞台にしつつ、吸血鬼というモチーフを重ねてると思うのですが、その世界観を作り上げていく上で特にこだわったビジュアルやサウンドのポイント、あるいはインスピレーションがあったら教えてください。
ヤコブ:全体としては14世紀のヨーロッパの歴史からインスピレーションを得ています。あの時代は、ペストの流行だけでなく、宗教的な分裂、度重なる戦争、気候変動による危機など、極めて困難な状況にありました。まさに、あらゆる災厄が重なった過酷な時代だったのです。
人類がどん底にあるようなこの歴史的瞬間を掘り下げるのは興味深いことですし、吸血鬼という存在は、その時代に渦巻くあらゆる悪や苦痛を体現するものだと言えます。私にとって、吸血鬼は封建社会を象徴的に表すものでした。領主や貴族が農民の汗と苦痛と血で生きていた時代です。
ビジュアル面では、中世の芸術から多大な影響を受けています。ゲームの世界を探索する際は、ぜひ壁画や書物の中の絵にも注目してみてください。というのも、物語の多くがそうした「絵」を通して語られているからです。音楽に関しては、スラブ音楽やカルパティア地方の音楽からインスピレーションを得ています。
カルパティア、つまり山脈地帯ですね。一般的に、西洋のRPGの多くはアングロサクソン系のファンタジー(エルフやドワーフが登場するものなど)にルーツを持っています。それらも非常に興味深く、私自身もプレイするのは大好きですが、私たちのゲームがユニークで新鮮なのは、全く異なる場所からインスピレーションを得ている点です。東欧という私たちのルーツを前面に押し出し、プレイヤーにその世界を体験してもらえるようにしています。
実は、チームには専任の音楽アーティストがいて、彼女はフォーク音楽のアーティストなんです。彼女は非常にユニークな楽器を数多く所有していて、中には名前すら分からないようなものもありますし、今では演奏できる人がほとんどいないような楽器もあります。そうした楽器の音色が、すべてサウンドトラックに取り入れられています。
――本作は「ナラティブサンドボックス」が重要であると初出時から言われていましたが、それを作るのはどれくらい大変だったんでしょうか。また、レベル・ウルブズというスタジオで、ナラティブサンドボックスを使った別のゲームも作っているのでしょうか。
ヤコブ:そうですね、まず『The Blood of Dawnwalker』について言えば、大きな挑戦でした。というのも、選択肢やその結果が重要となる一般的なオープンワールド・ゲームのモデルをベースにしつつ、そこからさらに自由度を広げたからです。個人的にも、こうした要素を探求するのは大好きなんです。ビデオゲームというのは、私たちがまだその可能性を学び続けているユニークなメディアだと信じていますから。まだ非常に新しい分野ですし、発見すべきことや、初めて試せるようなことがたくさん残されています。
私たちが目指したのは、昔ながらのテーブルトークRPGのような体験です。そこでは「AとBのどちらにしますか?」と選択を迫られるのではなく、「何がしたいのか?」「どう行動するのか?」「どこへ行くのか?」と問われるような、完全な自由がある感覚ですね。
もちろん、それは難しいことでもあります。常に考えなければなりませんから――例えば、最初にこれをやってからあそこへ行くとどうなるか、空腹を抑えられずにあのNPCを殺してしまったらどうなるか、それが他のストーリー展開にどう影響するのか、といった具合に。ですから、そうした要素をすべて把握し続けるには、かなりの思考と労力が必要でした。
今後の作品については、何よりもまず、プレイヤーの皆さんのフィードバックにしっかりと耳を傾けていくつもりです。プレイヤーの声を聞き、その期待に応えることは私たちにとって極めて重要ですから、まずは皆さんがどう感じるかを見守りたいと思います。ただ、私は「ナラティブ・サンドボックス」という要素こそが、際立った魅力になると強く信じていますし、今後の作品でもこのモデルをさらに発展させていければと考えています。
――プロローグの中で母親に薬を作ってあげる時、お湯か熱湯か水か、大さじ何杯分入れるか、といったように手順通りに薬を作れるか試されるところがあります。話を聞いていたか試すような場面は、他にもあるのでしょうか。
ヤコブ:我々にとって、早い段階で「対話や相手の話をよく聞くことの重要性」や「自分の行動が結果を招くこと」を提示することは、私たちにとって重要な点でした。実際、プロローグには非常に重大な局面があり、プレイヤーの行動次第で母親が生き残ることもあれば、命を落とすこともあります。つまり、私たちは「これは『選択と結果』が重要なゲームであり、本気で取り組まなければならないし、予測不能な事態にも備える必要がある」ということを伝えたかったのです。
本作の世界には様々な種族のモンスターが存在し、そのうちの1つか2つはプロローグですでに出会っているはずです。例えば、大きな角を持つ種族や、鋭い爪を持つ小柄な種族です。それぞれの種族には独自の文化があり、それを深く理解していれば、物語の特定の場面で彼らとうまく付き合える可能性が高まります。
ですから、彼らの言葉に耳を傾けたり、例えば彼らの住処の壁に描かれた絵を観察したりして文化を理解すれば、それをゲームを有利に進めるために役立てることができるのです。
――吸血鬼の形態が強力だなとプレイして感じました。しかし、強すぎると人間としての緊張感が薄れてしまうのではと思います。人間の状態と吸血鬼の状態のパワーバランスみたいなものはどうやって調整していったのでしょうか
ヤコブ:まず、コーエンが昼間に使える能力の一つに魔法があります。ゲーム序盤では使える呪文はごくわずかですが、ゲームを進めるにつれて使える呪文の数が増え、中には非常に強力なものもあります。ストーリー展開で非常に役立つ呪文の一つに、死者を喋らせる呪文があります。これは昼間しか使えず、物語の謎を解き明かすのに役立ちます。そして昼間の状態であれば、誰かを食べる心配もありません。
――主人公のコーエンは優しそうですが影がある雰囲気を纏っていて、ビジュアルとしても性格としてもとても魅力的だと思いました。プレイヤーとして色々なことを選択することと、主人公自身の性格があることのバランスを取るうえで気をつけたところはありますか?
ヤコブ:とても興味深い質問です。まず、コーエンというキャラクターを創り上げる際、記憶に残るような、かつ一味違ったキャラクターにするにはどうすればいいか、その「核」となる人物像についてじっくりと考えました。多くのゲームでは、経験豊富でシニカルなベテランを操作することが多いですよね。あらゆる修羅場をくぐり抜け、何事にも動じず、荒っぽい性格のキャラクターです。
もちろん、そうしたキャラクターも魅力的ですが、私たちは、もっと新鮮で若々しく、未熟ながらも学びの途上にあり、自分の感情を素直に表現できるキャラクターを操作することで、プレイヤーにこれまでとは違う体験を届けられるのではないかと考えたのです。
そして、コーエンというキャラクターにおいて特に際立たせたかったのが「共感力」です。彼は人の話に耳を傾け、相手の感情を汲み取って思いやることができる。そうした姿勢が、人間関係の構築につながっていくのです。
選択肢に関しては、人生で困難な決断を迫られたときに感じるような、あの感覚を再現したいと考えました。現実が分岐していくような、自分の行動次第でその後の人生が全く違ったものになってしまう……そんな瞬間の、心に生じる緊張感や切迫感を表現したかったのです。
ですから、単に「善か悪か」という話ではありません。コーエンというキャラクターを考える際、常にその点を意識していました。状況や文脈を見極め、その人物の性格に忠実でありつつ、直面しているジレンマの難しさを反映した行動とは何かを追求したかったのです。
これこそがビデオゲームの特別な点だと思います。ビデオゲームは、私たちの道徳観や倫理的な指針を研ぎ澄ませてくれるものです。単に物語を提示するだけでなく、「物語をどう展開させるか」を私たちに問いかけてくるのですから。それは本当に素晴らしいことであり、私はビデオゲームを通じてそうした体験を探求するのが大好きなんです。
――コーエンの魅力を描くうえで、ビジュアルを含めて大事にしたことはありますか。
ヤコブ:そうですね、キャラクターとしての構想は私が担当しましたが、ビジュアル面についてはアートディレクターが担当していました。ですから、何が重要かについてよく話し合いました。目指したのは、バーなどで見かけた際に気軽に話しかけたくなるような、そして相手に自信を与えてくれるような人物像でした。
特に印象的なのは、左右の目の色が違う点だと思います。その特徴が、彼が持つ二面性や複雑な内面をうまく表現しているのではないでしょうか。
――ネズミの血を吸った時に、コーエンが「うえっ」とまずそうな反応をしていました。血の“質”は気にしたほうがよいのでしょうか。ネズミばかりだとよくないのかなと。
ヤコブ:そうですね、栄養補給という点では人間の血が最適で、最も多くのヘルスポイントを回復できます。一方、動物の血でも命をつなぐことはできますが、飲んだ時の恩恵はそれほど大きくありません。それから、吸血鬼の血もあります。他の吸血鬼の血を飲むと全く異なる結果が待ち受けていますが……そこは、お楽しみのために秘密にしておきましょう。
――今作はクエストをこなしたり、パークやビルドを取ると時間が進みます。作中の時間が進むことで受けられなくなるクエストが出てきたり、30日というプレイの制限がある中で全てのパークやビルドを取っていると時間が足りなくなる、といった取り返しのつかない要素はあるのでしょうか。
ヤコブ:コンテンツを完全に取り逃がしてしまうような状況は、ごくわずかしかありません。実のところ、限られた時間に対してこなせる以上の要素が詰め込まれているというプロローグの構成は、ゲーム全体を通してもかなり特殊なものなんです。
とはいえ、相手を長時間待たせたりすれば、それなりの結果や影響が生じることになります。例えば、誰かに「これは重要だから明日会おう」と言われたのに、他のことをして1週間も放置してしまえば、相手もそれに気づくでしょう。
クエストを始めたもののしばらく放置してしまうと、その間に状況が変わってしまう、といったイメージです。つまり、世界は静止しているわけではなく、時間の経過とともに変化していくのです。
こうした仕組みを取り入れた理由は、オープンワールドというジャンルに「切迫感」を再び持ち込みたかったからです。現実の生活において、時間は非常に貴重で、あっという間に過ぎ去ってしまうものです。私たちは、ゲームをプレイする中でのストーリーや体験にも、その要素を組み込みたいと考えました。
確かに緊張感は生まれますが、それによって没入感が高まり、NPCへの愛着が深まり、一つひとつの選択をより慎重かつ真剣に行うようになるはずだと、私は強く信じています。
――最後に、日本のプレイヤーに向けてなにか一言お願いします。
ヤコブ:皆さんにこのゲームを体験してもらえるのが待ちきれませんし、どんな感想を持たれるのか聞くのも楽しみでなりません。私たちはこのゲームに並々ならぬ情熱を注いできましたし、その熱意が皆さんに伝わればと願っています。
『The Blood of Dawnwalker』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年9月3日発売予定です。
¥9,790
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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