下関市吉母で北九州市合馬の人たちと地引き網体験 学校閉校しても地区同士交流
山口県下関市吉母の吉母小学校(2025年3月に閉校)が北九州市小倉南区の合馬小学校と65年間にわたって続けてきた交流を未来につなげていこうと、吉母地区の住民らが6月28日、地元の海水浴場を舞台に毎年行われていた地引き網体験を通じた交流会を2年ぶりに復活させた。これまでの小学校同士から、吉母と合馬の地区同士の交流に形を変えて継続していく。約220人が参加し、大漁を喜ぶ歓声が響き渡った。 旧吉母小と合馬小の交流は1959年に吉母へ海水浴に来た合馬小の児童が突然の雨に見舞われた際、吉母小が校内を開放して雨宿りさせたのをきっかけに、60年に姉妹校となってスタート。毎年春には合馬名産のタケノコが吉母小に届けられ、夏には合馬小の児童が吉母小を訪れて海水浴交歓会を楽しみ、「海の学校」と「山の学校」として友情を温めてきた。 しかし、児童数の減少で吉母小が閉校したため、学校交流は2024年度で終了。だが、4世代にわたって交流した世帯もあるという長い歴史を持つ関係を途絶えさせたくない―と、地元消防団や吉母小の卒業生やPTAのOBらでつくる吉母青年部(植村嘉将部長)が主催する形で、海水浴交歓会で人気だった地引き網体験を1年のブランクを経て再開させた。 学校行事ではなくなったため、合馬小からは希望した児童や保護者らのみの参加となったが、それでも約100人が訪れ、活気にあふれた。地元の漁業者の協力で沖合に仕掛けた地引き網を吉母の人たちと一緒に、二手に分かれて引っ張っていき、砂浜に手繰り寄せた網の中に大きなマダイやハモ、アオリイカなどがたくさん入っているのを目にすると、子どもたちははしゃいでいた。 学校主体ではないことから住民らにとって運営など大変な面もあったが、長年培ったノウハウや絆が力となり、スムーズに準備できたという。小学校時代に一緒に地引き網を楽しんだという吉母と合馬の卒業生2人が漁船に乗り込んで手伝うなど、地域の垣根を越えて協力し合ったり、歓談したりする姿が見られた。 この日は約250キロの大漁で、合馬の人にお土産としてプレゼントしたほか、一部はその場でバーベキューにして味わった。 植村部長(56)は「昨年は地引き網体験はできなかったが、ビーチフラッグスや海水浴を楽しんでもらった。地引き網を毎年できるといいが、2年に1度のペースでも続けていきたい」。海がつないだ67年の交流の継続を誓った。