プロ1号の巨人・笹原操希、同じ育成出身のライバルに「負けたくない。僕にとっては特別な存在」
◆JERAセ・リーグ 中日0―1巨人(5日・バンテリンドーム) 巨人は高卒5年目の笹原操希(みさき)外野手(22)が2回にプロ初本塁打を放った。21年育成ドラフト4位で、6月25日に2度目の支配下登録を勝ち取ったばかり。育成ドラフト出身選手の本塁打で、1―0で勝ったのはプロ野球史上初めて。この1点を無失点リレーで守り切った。先発した井上は7回を3安打8奪三振の快投で今季7勝目。チームは3連敗を阻止し、首位を守った。 【選手データ】笹原操希の球歴、成績など… 狙い澄まして、インパクトの瞬間に全力を込めた。笹原が強くたたいた打球は、逆方向にどんどん伸びた。白球は右翼ポール際、ホームランウイングで弾んだ。「入ったなと。めちゃくちゃ嬉しいだけです」。表情を緩ませ、ゆっくりダイヤモンドを1周。喜びをかみしめて、ホームベースを踏んだ。 2回2死、金丸の初球150キロの直球を捉えプロ1号。育成ドラフト出身選手が、1―0の試合で決勝弾を放ったのはプロ野球史上初めて。5回無死一塁では外角低めのスプリットをはじき返して右前打をマークし、プロ初のマルチ安打も記録。強打の右打者で「長野2世」として期待される22歳が、師匠をほうふつとさせる逆方向への快打を連発した。 特別な試合だった。先発の井上は2学年上だが、ともに寮生だった時は毎日、先輩の部屋に通った。食事中も、入浴中も同じ時間を過ごした。左腕に刺激され、野球ノートをつけ始めたこともある。「温大さんの試合で打てたので、それが一番嬉しいです」。最高の形で感謝を伝えた。 刺激を受ける存在もいる。4月に育成から支配下に昇格した平山とは同学年で、よく遊びに行く仲。平山は3月15日の日本ハムとのオープン戦で本塁打を放った。その翌日にG球場で遭遇すると「お前、えぐ!」とハグで祝福した。3軍で一緒にプレーしていた時期もあり「やっぱりあいつ、めっちゃいい選手なので。負けたくないです。あいつはどう思ってるか知らないですけど、僕にとっては特別な存在です」。平山も「すごくいい選手で、尊敬するところがたくさんある」。互いに認め合うライバルが力をくれた。 6月25日に支配下に復帰し、28日に1軍昇格。スタメンは2度目だった。橋上監督代行が1、2軍の選手の入れ替えを示唆していたこともあり「今日打てなかったら終わるなと思っていました」と背水の陣で結果を出した。「ジャイアンツのレギュラーになりたいですけど、一試合一試合死ぬ気で。次の試合もしっかり準備して、自分のベストを尽くせるように頑張っていきたい」。必死で努力を続け、誰もが認める選手になる。(臼井 恭香)
報知新聞社