●同じ人物が書類、返還求める方針

 金沢芸術創造財団が、能登半島地震の被災者に文化芸術の鑑賞機会を創出するために実施する「能登復興支援事業」で、補助金の不正受給が疑われる申請が昨年度に少なくとも17件あったことが7日、関係者への取材で分かった。申請者は複数おり、いずれも同じ人物に受給に必要な書類を委任。この人物がイベントの領収書などを偽造し、経費を水増ししていた可能性がある。財団は過払い分の返還を求める方針だ。

 事業は音楽に造詣が深い「村山卓市長の肝いり」(関係者)として、2024年12月に開始した。被災者を無料で招待することを条件に、団体・個人が主催するコンサートなどのイベント費用を全額補助する。上限は団体申請で50万円、個人で20万円となる。補助金の原資は税金となっている。

 補助金はイベント後に申請者が領収書などを添付し、財団側がチェックした上で振り込まれる仕組み。関係者によると、申請者は約10人に上り、いずれも同じ人物が領収書など必要な書類の作成を行っていた。チラシやプログラムのデザイン料や印刷代などの名目で、実態と異なる金額の領収書を作成し、申請者に提出させたとみられる。

 申請者の一人が、領収書の名義が見知らぬ人物だったことを不審に思い、財団に報告したところ、不正の疑いがあることが分かった。財団が領収書を作成した人物に事情を確認したところ、「不正の認識はない」としている。財団は弁護士と相談しながら調査を進めている。

 財団は過払い額が確定した場合は、申請者に連絡し、正しい領収書の提出を促し、過払い分の返還を求める方針だ。

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