あの閃光が煌めく様を、今でも鮮明に憶えている。夜闇を切り裂き、真実を白日の下に晒して、私の瞳へ情熱と希望を灯した……
息を呑むほどに美しい、あの光を。
……彼女こそ、私の全てだった。彼女の顔、彼女の声、彼女の仕草、彼女の…匂い…温もり…鼓動…彼女の…あの子の…………の……笑顔。
それがあまりにも眩しくて、綺麗で……可愛くて。目を背けることもできず、私は彼女を凝視して…その度に、彼女は私の頬を小突いていた。指先から伝わる体温が、弄んでいるものを紅く染め上げてゆくのもお構いなしに。
彼女と共に過ごした歳月は、私の人生で最も幸せな日々だった。朝も昼も…昼夜を問わず、いつも彼女を 感じていられたから。
「……ルカナ……アルカナ……」
……おはようも、おやすみも、私の名前を呼ぶ時も。彼女の口から紡がれる言葉の数々は、その全てが愛おしくてたまらなかった。
「………るるか………」
彼女と一緒に日が暮れるまで調査を行い、彼女が作ったアイスクリームを食べて、彼女の笑顔を見つめて、寝巻姿の彼女が扉の奥へと消えてゆくのを見守る。きっと、明日もこの日々が続くのだろう、なんて思いながら。
……けれど、私の光は一瞬にして消え去った。
喪って初めて気づいた幸せ……いや、私はずっと幸せだった。だからこそ、気づきたくなかった。
彼女さえ、隣にいてくれれば。
……永遠にも感じられたあの日々は、あまりにも呆気ない終幕を迎えてしまった。私が刹那の夢へ浸っているうちに、蝶はその美しい翅を折り…私の眼前で、最期の飛翔を試みた。
そして、私はそれを…見届けた。あの儚い散り際が、 今でも瞼の裏に焼き付いて離れない。
「……待って……エクレール……!!!」
私は、今でもあなたのことが忘れられない。
……いいえ、忘れたくなどない。
なのに……それなのに…………!
あなたはもう、私のことを憶えていない。
……今、あなたは何を思っているの?
……私ではない誰かを、想っているの?
……今のあなたのそばには、誰がいるの?
……教えて。
……それが駄目なら、せめて……せめて…………
……喪いたくないのに、失った?
……馬鹿げてる。
……何故、運命とはこうも残酷なのだろうか。
二人の少女と…ふたりの妖精。
……ただ、一緒にいたいだけなのに。
……いや、あなたは私が取り戻す。
もしも、たった一頭の蝶の羽ばたきが、巡り巡って世界の有り様を大きく変えてしまうのだとしたら……
私が、その蝶になりましょう。
それで、またあなたに会えるなら。
……くれあ。
………….私の光。
「私に失敗はない。」