前田元検事「申し訳ない」 最高検、証拠隠滅で起訴
前特捜部長ら拘置延長 隠ぺい経緯の解明急ぐ
大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠ぺい事件で、最高検は11日、元主任検事の前田恒彦容疑者(43)を証拠隠滅罪で大阪地裁に起訴した。これに先立ち柳田稔法相は同日、前田被告を国家公務員法に基づき懲戒免職とした。検事の懲戒免職は戦後6人目。最高検によると、調べに対し意図的な改ざんを認め「申し訳ないことをした」と供述し反省しているという。
最高検は同日、前田元検事の上司だった前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)と前副部長、佐賀元明容疑者(49)=いずれも犯人隠避容疑で逮捕=の10日間の拘置延長を請求、大阪地裁は21日までの拘置を認める決定をした。今後の捜査の焦点は、大坪前部長らによる隠ぺいの経緯の全容解明に移る。
起訴状によると、前田元検事は昨年7月13日、郵便料金不正事件の捜査で押収したフロッピーディスク(FD)に記録されていた偽の証明書の最終更新日時を「2004年6月1日1時20分」から「04年6月8日21時10分」に改ざんしたとされる。
最高検は大阪地検に事件を移送し、最高検検事が同地検事務取扱として大阪地裁に起訴した。
最高検によると、前田元検事は改ざんの動機を「郵便不正事件の立証は可能と思っていたが(検察の筋立てに合わないFDの存在で)公判が紛糾するのを避けたかった」と供述。FDを弁護側に返還した理由は「手元に置いておきたくなかった。弁護側が文書データの更新日時まで確認するとは限らないと思った」と説明しているという。
前田元検事は改ざんに使ったソフトを08年5月ごろに私用パソコンにインストールしたが、最高検の捜査では、他の証拠品の改ざんは確認されていないという。
一方、関係者によると、大坪前部長と佐賀前副部長は「データ書き換えは過失と報告され、信じていた。隠ぺいは指示していない」と容疑を全面的に否認しているといい、前田元検事の言い分と大きく食い違っている。
最高検は捜査と並行して、改ざんに関する報告の流れを解明するため、小林敬・大阪地検検事正や玉井英章前次席(現大阪高検次席検事)から既に事情聴取するなど、検証作業を進めている。大坪前部長ら2人の拘置期限となる21日に刑事処分を判断するとともに、当時の大阪地検や同高検幹部の監督責任についても判断する考え。
仙谷由人官房長官は今月4日の記者会見で、大林宏検事総長らの責任問題に関し「当然責任問題は出てくる」と言及している。最高検は検証結果を年内に公表する方針で、検察上層部の責任の有無や検事総長の進退も焦点になりそうだ。