英語論文は「日本語脳」から切り替えて書く:5つの基本ルール
日本語で考えたことをそのまま英訳すると、英語論文では不自然な文章になってしまいます。
英語らしい論理構造や表現は、日本語とはそもそも考え方が違うからです。
英語論文を書く際には、「日本語的な発想」をいったん手放し、「英語的な文章構築」に頭を切り替える必要があります。
ここでは、英語論文を書くときに知っておくべき5つの基本ルールを
具体例とともに紹介します。
1. 非生物主語+能動態で書く
英語では「人」ではなく、「物」や「概念」を主語にして、
ストレートに能動態で述べるのが基本です。
日本語的な受け身の表現は避けましょう。
最近の~の進歩によって~が可能になった。
→ Recent advances in … have enabled (or allowed) …最近~が報告されている。
→ Recent studies have reported (or shown) that …~に関する報告が散見される。
→ A few studies have reported …以上から ~と推察される。
→ These results (or findings) suggest that …~の原因として~が考えられる。
→ Possible causes of … include …重篤な副作用として~が報告されている。
→ Reported serious side effects include …~所見から~が疑われた。
→ … findings raised a suspicion of …
2. 「誰に何が起きたか」を明確に
英語では、誰が何をしたか/何が起きたか
をはっきりさせて書くのが基本です。
主語が不明確な日本語的表現は避けましょう。
われわれは最近~の症例を経験した。
→ We have recently encountered a patient with … who …腹痛が出現した。
→ The patient developed abdominal pain.被験者の内訳は…
→ The subjects consisted of … men and … women, ranging in age from … to … years, with a mean age of … years.
3. 文献や調査そのものを主語にする
自分たちの調査や先行研究に触れる際は、「文献」や
「検索そのもの」を主語にして述べると自然です。
われわれが文献を検索した範囲では~は見当たらない。
→ Our literature search failed to reveal any …~についての報告は少ない。
→ (Very) Few studies have reported …~についての報告は限られている。
→ A limited number of studies have reported on …
4. be動詞を避けて能動表現に
直訳するとbe動詞を使いがちな表現でも、他の動詞を使って
動きを与えましょう。
たとえば「~についての報告は少ない」といった文では、
次のように書きます。
~についての報告は少ない(ほとんどない)。
→ (Very) Few studies have reported …~についての報告は限られている。
→ A limited number of studies have reported on …
このように、「報告は存在する」ではなく「報告された」と
書くことを意識すると、英語らしい表現になります。
5. 日本語を補って書くことも必要
日本語をそのまま英訳すると、著者の意図が伝わらない英文に
なってしまうこともあります。
文脈に合わせて日本語にはない表現を補うことも大切です。
例えば:
歯周病は単に口の健康だけではなく、全身的な健康を維持する上で“鍵”となる極めて重要な病気です。
このまま訳すと:
Thus, periodontal diseases play a crucial role not only in keeping oral health but also in maintaining general health.
と、まるで「歯周病が健康維持に役立つ」ような意味になってしまいます。
そこで、英語では次のように表現します。
Thus, preventing periodontal diseases plays a crucial role not only in maintaining oral health but also general health.
このように、「歯周病にかからないことは」と頭の中で補って英文を組み立てましょう。
まとめ
非生物主語と能動態でシンプルに述べる
主語は明確に
文献や調査を主語に使う
be動詞構文は避ける
日本語を補いながら英語的発想で書く
これらのポイントを意識することで、日本語的発想から脱却し、英語らしい論文を書けるようになります。
「頭の中で組み直してから書く」こと、ぜひ意識してみてください。


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