球史に残る「真夏の大逆転・大失速」7選 歓喜か、絶望か、運命を分けた「分岐点」を追う
2011年:中日・落合博満監督10.0ゲーム差 中日幹部「ガッツポーズ事件」に現場が意地!
2011年9月23日、お立ち台でファンの声援に応える荒木雅博と井端弘和
【写真は共同】
結果的に8年間でリーグ優勝4度、日本一1度に輝いた「落合博満・中日」だが、この年は初めて負け越しでオールスターを迎える。8月3日時点では借金5、4位に低迷していた。
しかし、オールスター明けから盛り返し、8月終了時点で首位・ヤクルトまで2.5ゲーム差の3位となる。ここで事件が勃発。現場と経営陣の確執が表面化する中、9月6日の巨人戦に敗れて4.5ゲーム差になった試合後に球団幹部がガッツポーズをしたとの噂が広まった。そして9月22日に落合監督の退任が発表される。
この状況で、くすぶっていた現場の不信感が爆発。退任発表の翌23日のヤクルト戦で荒木雅博が禁止されていたヘッドスライディングで勝ち越し生還。そこからチームは団結し、10月10日からライバル・ヤクルトに4戦全勝を含む5連勝で中日は遂に首位に立つ。
「ガッツポーズ事件」後、9月15勝6敗3分、10月は11勝5敗2分の快進撃。球団史上初のリーグ連覇を成し遂げる。チーム打率.228はリーグ6位だったが、チーム防御率は1位。エース吉見一起は18勝で2度目の最多勝、防御率1位。浅尾拓也79試合7勝45ホールド、防御率0.41でMVP。荒木雅博、井端弘和の「アラ・イバ」二遊間を中心に守り勝った。
2016年:日ハム・栗山英樹監督11.5ゲーム差 記者投票のルールを変えた大谷翔平の二刀流
2016年9月28日、リーグ優勝を果たし、ガッツポーズする大谷翔平と大野奨太
【写真は共同】
6月24日時点で11.5ゲーム差という絶望的な状況から、6月に球団新記録の15連勝を飾る。一方、ソフトバンクは8月11勝14敗と負け越し。日本ハムは8月25日に単独首位に立った。
以降、両チームによる首位の入れ替えは4度。天王山となった9月21日からの直接対決2連戦で、日本ハムが大谷、有原で連勝し、優勝に突き進んだ。日本ハムは貯金34で勝率.621、ソフトバンクも貯金29で勝率.606という高いレベルでのマッチレースだった。
MVPは「投打二刀流」でNPB史上初の「10勝、100安打、20本塁打」を達成した大谷翔平。1940年から始まった記者「ベストナイン投票」のルールを、「投手・打者の重複投票OK」に変えてしまう大活躍だった。
2022年:オリックス中嶋聡監督11.5ゲーム差 継投自在の「ナカジマジック」炸裂
2022年10月2日、優勝を決め喜ぶ吉田正尚(ジャンプ)、山本由伸(左後方)らオリックスナイン
【写真は共同】
2年連続「投手四冠」の山本由伸と左腕・宮城大弥の先発二枚看板がチームを引っ張ったが、同時に仰木マジックの仰木彬監督の愛弟子らしく、中嶋聡監督は「継投」が巧みだった。
育成出身の宇田川優希19試合、サイドスロー・比嘉幹貴30試合、新外国人・ワゲスパック32試合、2年目の阿部翔太44試合、通算250セーブを視野に入れた平野佳寿48試合ら、計20投手がホールドを記録し、ホールド数はリーグトップの126を数えた。
打線は前年首位打者を獲得した吉田正尚、同本塁打王獲得の杉本裕太郎が中心。翌2023年までリーグ3連覇を記録した。
楽天の石井一久GM兼監督は貯金18から借金2への歴史的な大失速だった。
(企画編集:スリーライト)