定数削減と副首都構想で平行線 野党、衆院でなお審議拒否 参院、正常化へ
与野党対立による国会空転が続く中、高市早苗首相が消極姿勢を示してきた参院での予算委員会集中審議などの開催に追い込まれた。少数与党の参院はようやく正常化に向け動き出したが、衆院では衆院議員定数削減と「副首都」構想関連の2法案を巡って平行線が続く。重視する皇室典範改正法案も審議入りが見通せず、首相は引き続き難しいかじ取りを強いられる。
審議拒否を続けてきた野党が出席し、参院で1週間ぶりとなる審議が行われた6日の決算委員会。国会に対する姿勢を問われた首相は「審議のあり方は国会でお決めいただく。求めがあれば出席し、これまでも誠実に答弁してきた」と従来通りの答弁を繰り返した。 首相はこれまで、表向きには国会の要請に応じると発言する一方、自民党関係者によると、松山政司参院議員会長らの予算委などへの出席要請を拒否。「二枚舌」とも言える対応を続けてきた。 ただ、会期が17日に迫る中、内閣提出法案17本の審議が宙に浮いたまま。「数の力」を持つ衆院とは違い、与党が過半数に満たない参院で可決できる見通しはたたない。 打開策として、参院自民は官邸の了承を得ずに野党側との協議で首相の出席を決めることも視野に入れていた。国会審議の停滞が皇室典範改正に影響することを懸念する麻生太郎副総裁の意をくんだ麻生派出身の森英介衆院議長も予算委への出席を促し、首相は外堀を埋められた形となった。 野党は予算委で、首相の秘書が総裁選などで中傷動画作成に関わった疑惑を追及する考え。首相はこれまでの国会で答弁が二転三転した上、秘書の陳述書提出で質疑を打ち切る思惑も外れ、この日の決算委では「国会での質問に対応しないという趣旨ではない」と釈明に追われた。自民閣僚経験者は「新たな疑惑が出て、さらに傷口が広がりかねない」と語る。 一方、衆院での野党の審議拒否は依然続く。野党が撤回を求める定数削減と副首都に関する2法案を巡り、日本維新の会の中司宏幹事長は6日、記者団に「取り下げることはできない」と強調。会期を延長してでも実現させる考えを示しており、与野党の協議は難航している。自民の国対幹部は「維新も野党も妥協しないだろう。困ったものだ」と頭を抱える。 そもそも与党との距離感に差がある野党を一致結束させたのは、首相の意向を受け、維新が強く求める2法案の審議入りを衆院で強行したことが原因だ。見通しの甘さが招いた結果とも言え、自民重鎮は「どつぼにはまってしまった。小手先の対応を続けてきたつけだ」と突き放す。 野党は政府の皇室典範改正案も、与党が2法案の成立を断念しなければ審議入りを拒否する構えだ。7日には維新の吉村洋文代表が上京する予定で、首相と対応を協議する可能性があるが、国会正常化に向けた打開策を打ち出せるかは不透明だ。