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陰キャ・チー牛・オタクの俺はなぜアンフェにならずに済んだのか

割引あり

 アンチフェミニストの大暴れが常態化してしまっている。最近では、橋本愛がフェミニストだから云々とよくわからないことを喚いていた。セミの鳴き声じみているが、彼らは年がら年中なので風情もない。

 アンフェたちの社会的存在意義はひとつしかない。自分より愚かな人間がいることをみて安心するための装置だ。とはいえ、一歩間違えば「アッチ側」だったという緊張感はある。シスジェンダー男性で日本国籍というザ・マジョリティである自分にとってはなおさら。

 そもそも、私はSNSでアンフェをぶっ叩いて生きているが、自分を取り巻く状況を俯瞰するとアンフェたちとさほど差がない。容貌は「チー牛」と揶揄されるタイプだし、陰気なオタクでもある。友達は少なく彼女がいたこともない。もし我々が共に犬猫の類なら、商品タグには同じ品種が書かれるだろうという程度の違いしかない。犬猫自身は「全然違うだろ! しっぽとか!」と思うものだが、傍から見ると大差ないという状態だ。

 にもかかわらず、純然たる事実として、彼らはアンフェで私はアンフェではない。どうしてだろうか。

 大昔、『九段新報』時代に自分がネトウヨにならずに済んだ理由を書いたことがある。今回はそのアンフェバージョンということで、自分がアンフェにならずに済んだ理由を考察していきたい。

知性は七難隠す

 なぜ新橋九段はアンフェにならずに済んだのか、その最大の理由は人より頭がよかったからだと思う。身も蓋もない上に嫌味な言い方になるが、博士号を取って英語で論文を書いている人間が変に謙遜する方が嫌味だと思う。別に、自分が世紀の大天才だと言いたいわけでもないし。少なくともアンフェよりは賢い。

 もちろん、知性が高ければアンフェ化を免れるとは限らない。京大まで出ていながら白塗りメイクでアンフェ活動に励む河合ゆうすけとか、同じく京大卒なのにフェミニストの発言を捏造してきっちり敗訴しちゃう青識亜論とかいるわけだから。私の出身大学の偏差値は京大よりはっきりと下だ。とはいえ、他が同じ条件なら知性が高い方がアンフェになる可能性は低いと考えている。

バカは才能

 なぜ知性がアンフェ化を防いでくれるのだろうか。ひとつの要因は、アンチフェミニズムのような破綻した主張を信じ込み熱心に訴えるには、その破綻に気付かずにいるという能力が必要になることだ。

 そもそも、人間には誰しも、人から能力が高いとか賢いと思われたい欲求がある。望んで馬鹿だと思われたい人はいないだろう。だからこそ、億単位の資産を喧伝していた暇空茜ですら名探偵の素振りをやめることができなかった。億単位の資産があれば他人からどう思われようがどうでもよくなりそうだが、実際にはそうはならないらしい。

 この欲望の下において、破綻した主張を繰り返すのは想像以上にストレスのかかる行為だ。仮に金銭目的だと分かっていたとしても続けられる人間は少ない。観客の笑顔に繋がると信じていなければ芸人や遊園地のキャストが続けられないようなものだろうか。くだらないまとめ動画を作り、それが金銭のためだと割り切っていると主張する人たちも、その冷笑的態度が「賢い」と信じているからそうしているにすぎない。彼らは、本当の意味ではその行為が「金は溜まるが馬鹿な行為だ」と思っていないからこそ続けられている。

 こうした状況で、アンフェ的な主張を繰り返すのに最も都合がいいのは、そのアンフェ的な主張が本当に賢く妥当な主張であると信じ込むことだ。これは知性を持つ人間には難しい。アンフェ的主張は例外なく論理が崩壊しており、平均的な知性を持つ人間はその瓦解に気付かずにおれない。程度の差はあるだろう。違和感をはっきり言語化できる人ばかりではないかもしれないが、その主張にチップを全部つぎ込むことの怪しさに勘付く程度には知性がある人はアンフェになりにくい、というかなれない。

 視点を変えれば、知的能力が高いと思われるにもかかわらずアンフェ的な主張に巻き取られる人は、何らかの外的な理由で知性の発揮を阻害されていると考えることもできる。河合ゆうすけや青識亜論も、京大を出ている以上頭は悪くないはずだ。カタログスペックだけなら私より上だろう。しかし無残なアンフェぶりを晒してしまっているのは、彼らが持つ女性蔑視や功名心が知性の働きを邪魔しているからかもしれない。不要な荷物がトランクにぎっしり詰まっていては、車もカタログ通りの燃費を発揮できない。

頭がいいと女子と喋れる (暴論)

 女性蔑視というキーワードが出てきた。アンチフェミニズムになるかどうかを決める重要な要素にこれがあることは論を待たない。が、「私には女性蔑視がない」では問題の答えにならないだろう。社会はなんだかんだ言っても女性を軽んじており、私もその影響を受けているはずだ。私の中にも女性蔑視が多少はあるだろう。私がアンフェにならずに済んだ理由を探るには、私の中の女性蔑視がアンフェにならない程度の小ささでとどまっている理由を明らかにする必要がある。

 女性蔑視が膨らんでいく理由の最たるものは、妄想であると考えている。去年SNSを見ていて、この手の妄想による女性蔑視の肥大化は飽きるほど見てきた。

 アンフェたちは、まだ起こっていない状況や起こる可能性が非常に低い状況を妄想し、それを「女性からの被害」にカウントして被害者意識を拗らせ、さらに女性蔑視を膨らませていく。イメージとしては、過去の嫌な出来事を何度も思い返してしまい抑うつ状態になっていく人に近い。こういう人は一回しか起きていない出来事から何度もダメージを受けてしまうが、アンフェは起きてすらいない出来事からダメージを受けることができる。

 そして、彼らが女性の言動を妄想によって膨らませるのは、ひとえに、実際に女性とかかわる機会が少ないからだろう。人は経験のないことについても想像で様々な推測を立てることができる。ただ、本来は経験を踏まえて推測が修正されるものだ。アンフェたちのように実際の女性とかかわらないと、この歪んだ推測が修正される機会を得ることがないまま膨らみ続けてしまう。

 学生生活において、頭がいいということは、実のところ女子生徒との交流の機会を増やす働きを持つ。「勉強で分からないところがあればこいつに聞けば何とかなる」というポジションを得ることができるからだ。それはつまり頭脳労働的パシリではあるのだが、女子生徒との交流機会としては十分だし、勉強は学生の本分だから悪い気もしない。少なくとも、女性にも様々なタイプがおりムカつく奴もいれば善人もいる、という当然の事実を知るのに十分な交流を持つことができる。

 ついでに言うと、「勉強で分からないところがあればこいつに聞けば何とかなる」というポジションはそのまま、女子生徒に嫌われる可能性を減らすのにも役立つ。先にアンフェは起きていない出来事から被害感情を肥大させると書いたが、実際に女子生徒から毛嫌いされた経験がありそのためにアンフェになびいた者もいるだろう。それ自体、単純な一般化で早計な判断に過ぎないが、嫌な経験はしないに越したことはない。

 仮に容姿に優れていないとしても、困ったときに役に立って親身になってくれる人物を嫌う人はあまりいない。そういう面からも、頭がいい奴みたいなポジションを占めておくのは有益だったと思う。
 清潔感があまりにもない場合はこの限りではないだろうが……。

犯罪学者になったよ

 知性、という意味では犯罪学者になったことも大きい。こればっかりは再現性が皆無だが、自分を構成する要素としては避けて通れない。

 犯罪学という学問には様々な側面があるが、そのひとつには間違いなく、被害者が被ってきた二次被害の歴史がある。性暴力被害者に対するセカンドレイプが典型だろう。

 犯罪被害は男女ともに被り得るものだが、二次被害は弱い立場の人たち、すなわち女性が被りやすい。こうした歴史、ないしは犯罪学の先行研究を目の当たりにしてアンチフェミニストになれる男はそう多くない。

 と、まぁ、ここまで自分の頭の良さを誇るようなことを書いたが、実際アンフェよりは賢いのだから仕方ない。もちろん、後述するように、私は完璧な人間ではないし性格的にも厄介さを抱えている (わざわざSNSでアンフェをバカにして喜んでいる人間が素直な善人なわけがない)。だが、知性はこうした問題もある程度は覆い隠してくれる。博士号を持っていると周りからもなんか立派な人間に見られるし、それだけの脳みそがあると自ずと愚行へのブレーキも踏める。

 たまに踏み損なう奴もいるが。

短所もアンフェ化を防ぐ

運動音痴

 人間の優れた点もアンフェ化を防ぐことができる。残念ながら、アンフェには優れた部分があまりなさそうだ。とはいえ、短所も使いようでは人間のアンフェ化を防ぐことができる。

 例えば私は、ド級の運動音痴である。どれくらいかというと、テレビ番組の「運動神経悪い芸人」みたいなのがギリ笑えない時があるくらいだ。自分では気づいていないだけで、かなり滑稽な振る舞いをしながらバスケットボールをゴールに運んでいる可能性がかなり高い。

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