DH制導入前ラストイヤーに光る阪神・高橋遥人の打撃センス「ピッチングと似てるところもある」
【球界ここだけの話】虎党を驚かせているのは打者を圧倒するピッチングだけではない。阪神・高橋遥人投手(30)は今季、非凡な打撃センスでも輝きを放っている。ある日の試合前練習中には先発投手陣からアドバイスを求められるシーンも見られた。そんな〝バッティング〟について本人に聞いた。 「マジでたまたまっす(笑)。たまたまバットに当たっているだけっす(笑)」。柔和な笑みを浮かべながら、高橋らしい答えが返ってきた。 6月26日時点で今季は11試合に先発して5完投(4完封)含む無傷の9勝、防御率1.06はいずれもリーグトップに君臨する。投球については言わずもがなだが、打撃でもすでにキャリアハイとなる4安打を放ち、中日・高橋宏、広島・床田と並び、リーグの投手トップ。犠打も5つ決めており、9番目の野手としての役割を全うしている。「たまたま」と語った左腕だが、長いリハビリ生活の間に、打撃に関してある気付きがあったという。 「何かピッチングとバッティングって、似ているところもあるなと思いました」 リハビリを共にした下村や伊藤稜らとトレーニング中に何気なく話す中でヒントを得た。「両方とも軸足1本で立つんで。じゃあ(打撃でも)軸足が大切だなとか。『投げるときは(軸足を)こうやって意識するから、打つときもその重心の型が良いんじゃね』みたいな」。高橋は左投げ左打ち。マウンド上でもバッターボックスでも、軸になる左足の使い方には共通点があると明かした。詳細な感覚については「そんな真剣な話じゃないので(笑)」とけむに巻いたが、その感性が打席での好結果を生んでいる。 「僕はバッティングも好きだし、興味もある。リハビリ中は自由に投げられないので、だからこそ気付けたことかなと思います」 来季からはセ・リーグでもDH制が導入されるため、投手が打席に立つ姿が見られるのも残りわずか。「9番・投手 高橋」がコールされるラストイヤー。マウンドだけでなく、バットを持つ背番号29からも目が離せない。(秋葉元)