サケやお茶、伝統の祭まで…「伝統文化そのものが継承できなくなる」“約85%の森林”の城下町が直面する課題【森を守ること・第1話】
鮭、茶、木彫堆朱、村上大祭。新潟県村上市に受け継がれてきた文化の根っこには、広大な森があります。 【写真を見る】サケやお茶、伝統の祭まで…「伝統文化そのものが継承できなくなる」“約85%の森林”の城下町が直面する課題【森を守ること・第1話】 森を守ることは、暮らしと伝統を守ること。 次の世代へつなごうとする人々の姿を追いました。 ■村上の文化を支えてきた“ある存在” 新潟県の最北端に位置する城下町、村上市。かつての面影を残す歴史ある街並みには、古くから受け継がれてきた豊かな伝統文化が息づいています。 村上の代名詞ともいえる、母なる川「三面川(みおもてがわ)」を旅して戻る鮭、「いよぼや」の文化。江戸時代から400年以上の歴史を誇る、北限の茶処としてのお茶の文化。そして、精巧な職人技が光る伝統工芸品「村上木彫堆朱(きぼりついしゅ)」。 一見、それぞれ独立しているように見えるこれらの特産品や文化ですが、実はすべて「ある一つの存在」によって育まれ、支えられています。 それが、村上の広大な「森」です。 食も、工芸も、祭りの熱気も。すべては森から始まっていると言っても過言ではありません。 ■村上市の面積の約85%は森林 「村上の面積に対する森林の割合は、約85%にも上ります」 そう話すのは、地元で製材所を営み、森林環境や林業の未来について考える有志団体「次世代の集い」の会長を務める菅原保さんです。 菅原さんは、村上のくらしのベースにあると指摘します。 「村上には独自の鮭文化や日本酒、お茶の文化がありますが、その食文化の原点にあるのは、山と森からもたらされる栄養分であり、清らかな水です。山と森がなければ、私たちが当たり前だと思っている食文化そのものが生まれていなかったかもしれません。山と森こそが、村上の文化の源流なのです」 森の恵みは、食文化だけにとどまりません。 村上を熱気で包む夏の伝統行事「村上大祭」。 豪華絢爛な「おしゃぎり」と呼ばれる屋台が町を巡る、村上を代表する祭りです。 その屋台を支える象徴的な部材の一つ、車輪には、地元の山から切り出された「イタヤカエデ」という貴重な木材が使われています。
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