存続めざし住田高、PRポスター製作 藻谷浩介氏もエール 岩手

東野真和
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 廃校の危機にさらされている岩手県立住田高校で、生徒を募集するポスターが23日、在校生にお披露目された。24日には、存続活動をする生徒との縁で経済エコノミストの藻谷浩介さんが学校を訪れ、地域に高校がある重要性などを講演した。

 ポスターは、少人数で個性を生かす学校の特色を「わたしは、宇宙にただひとり。」という言葉で表現。校章と同じピンク色の地に白い文字でデザインした。住田町やその周辺、県外から入学した生徒12人が学校生活を送る姿で囲んだ。

 お披露目の場で、ポスターに登場した生徒たちは、1人ずつ「生徒をリスペクトしてくれる」「おもしろい人がいっぱいいる」などと学校のいい点を語った。

 山形県から国内留学で入学した2年生の荒井智義(ちか)さんは「学校独自の『地域創造学』の授業ではマンツーマンでサポートしてくれる」と話した。

 岩手県立高は、志願者が2年連続20人以下になると翌年度から募集停止が検討される。住田高の今春の入学志願者は13人にとどまり、町内からの入学志願者は1人もいなかった。

 ポスターは町内の小中学校や商店街などに200枚掲示するとともに、校長や副校長らが、気仙地区の中学校をまわり、手厚い経済的支援などを説明して回る予定だ。

 一方、学校を存続させようと生徒有志が活動を始めている。24日は有志の1人、3年生の金野恵人さんと、地域活性化の活動を通じてつながりがある藻谷さんが全校生徒の前で講演した。

 藻谷さんは、過疎が進んでいるとはいえ、人口5万人あまりの気仙地区(大船渡市陸前高田市・住田町)よりも小さな国が世界に10以上あることを紹介。「東北人は、自分たちが小さくて世の中の隅っこにいるようなことを言う人が多いが、決して小さい場所ではない」とデータで説いた。

 そのうえで、島根県の離島にある海士(あま)町が、高校生を島外から呼び込み、卒業後もまた戻ってくることで若者の人口を増やしている例を示し、「地元に高校があるのは大変重要なことだ」と高校存続の意義を述べた。

 そして「この高校を本気になって残そうと思えば絶対に残る。高校くらいは田舎に住むべきだ。東京では、大谷翔平は育たない」と結んだ。

 講演後、藻谷さんは「反応がそれぞれ違い、おもしろい子がたくさんいた」と感想を語った。金野さんは「心が揺さぶられた。他の生徒も心に灯がともったのでは」と、存続に向けた動きに弾みをつけたようだった。

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業
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    筒井一伸
    鳥取大学地域学部地域創造コース教授
    視点

    学校の存続環境,特に昨今の状況は,決して地域側の要因だけではなく高校無償化など国の政策なども影響している。志望者数など外形的な基準だけではなく,それぞれの地域がおかれた状況も丁寧に確認する必要がある。ところで岩手県立住田高校の「地域創造学」

    2026年6月29日 09:36

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