ロシア軍がオレシュニク中距離弾道ミサイルでウクライナを攻撃、この戦争で通算3回目の使用
2026年5月24日、ロシア軍がオレシュニク中距離弾道ミサイルでウクライナを攻撃しました。このロシアーウクライナ戦争では通算3回目の使用となります。首都キーウ近郊のビラ・ツェルクヴァで、オレシュニクの特徴である多弾頭が次々に着弾する映像が報告されています。
オレシュニクの着弾(近距離での撮影)
オレシュニクの着弾(遠距離での撮影)
※1発のオレシュニクは6個の子弾それぞれから6個の孫弾が分離して合計36個の弾頭が落下して来る。なお多弾頭を収納していたカーゴ部分の部品も一緒に落下して来るので、大気圏再突入時の光の輝きは弾頭数以上の数が視認できることに注意。カーゴ部分は耐熱部品ではないので着弾前にほぼ燃え尽きる。
※着弾位置はビラ・ツェルクヴァ(Біла Церква)、首都キーウの中心から南西80kmにある都市。
なお前日の5月23日に在キーウ米大使館は「24時間以内に重大な空襲が発生する可能性」を警告(出典)、さらにウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアがオレシュニクによる攻撃を準備している」と警告(出典)していました。おそらくこの時点でオレシュニクが配備されているカプースチン・ヤール試射場の格納庫から発射車両が出て来ており衛星画像で姿を確認されていたのでしょう。過去の事例でも米大使館は事前警告を発してます。
そして現地時間5月24日午前0時51分(日本時間午前6時51分)、ウクライナ空軍司令部の公式Telegramで「中距離弾道ミサイル(オレシュニク)使用の脅威」と種類を特定した空襲警報(出典)が出ました。おそらくですがアメリカ軍の早期警戒衛星や早期警戒管制機などからの探知情報の提供を受けて即座に警報を発したものと思われます。
オレシュニク空襲警報が出た10分以上後に、首都キーウ近郊のビラ・ツェルクヴァで大きな爆発音が連続で鳴り響き、着弾映像が撮影されています。飛来した多弾頭は過去のオレシュニクの特徴と合致しています。
オレシュニクの使用記録(通算3回)
- 2024年11月21日:距離800km、ドニプロ着弾、速度マッハ11、15分飛行
- 2026年01月08日:距離1600km、リヴィウ着弾、速度マッハ11、15分飛行
- 2026年05月24日:距離1100km、ビラ・ツェルクヴァ着弾
※発射は全てロシアのアストラハン州カプースチン・ヤール試射場から。
※2回目の15分飛行は筆者による大まかな推定値。
※3回目の今回も速度と飛行時間は過去の事例と同程度と思われる。
※おそらく2回目の発射が最小エネルギー軌道に近いもので、1回目の発射はロフテッド軌道(山なりの弾道)で射程調整したと考えられる。
※3回目の今回は1回目と2回目の中間くらいの弾道の角度で飛来している。
【関連記事】
- ロシア軍がICBMでウクライナ攻撃、ただし通常弾頭での威嚇行為か:新型IRBMオレシュニクとの情報も(2024年11月22日)
- ウクライナ情報機関:ドニプロ攻撃ロシア軍ミサイルはICBMではなく「ケードル」新型中距離弾道ミサイル(2024年11月23日)
- 仮説:RS-26ルベーシュ派生型ケードル複合体オレシュニク(2024年11月24日)
- ドイツがアロー3大気圏外迎撃ミサイルを取得したのはロシア新型IRBMオレシュニク対策だった?(2024年11月25日)
- ロシア軍がオレシュニク中距離弾道ミサイルを使用しウクライナ西部リヴィウを攻撃、飛距離1600km(2026年1月9日)
- リヴィウを攻撃したロシア軍のオレシュニク中距離弾道ミサイルの残骸をウクライナ保安庁が回収し公開(2026年1月10日)
※2026年6月6日追記:2026年5月24日のオレシュニクは2発使用が確定、しかも攻撃目的での発射ではなかったことが判明
※キーウ近郊のビラ・ツェルクヴァへの着弾だけでなく、ロシア支配領域のドネツクのアウディーイウカ方面で着弾していた。