第15話

【🩷🍼】今日だけの偽物恋人(後半)
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2026/05/22 14:02 更新

「今日だけの偽物恋人」の後半です!








Side あなたの下の名前

学園祭もいよいよフィナーレ
広場では最後にあがる花火の準備が進んでる


私たちは、人通りのない校舎裏のベンチにいた
S.Hyt
…これで終わり、なんだよな
あなた
…うん
佐野くんのその一言で、胸がきゅっと傷んだ


もう終わっちゃうんだな
この距離も、温もりも、全部
あなた
〝佐野くん〟、本当にありがとうね
S.Hyt
…もう、呼び方元通りになってる
あなた
だって……
これ以上言葉が出てこなくてしばらく黙り込む
すると、佐野くんの手が私の手の上に重なった
S.Hyt
……俺さ、偽物彼氏向いてないわ
あなた
…え、?
S.Hyt
今日一緒に手繋いで、一緒にご飯食べて、
人混みから守ってたら、いつの間にか本気になってた
S.Hyt
あなたの下の名前のこと、離したくなくなった
空に最初の花火があがった
光が弾けて、彼の横顔を照らし出してる
S.Hyt
あなたの下の名前は、自分を低く見すぎなんだよ
陰キャだから、目立たないし地味だからって
でもそんなの関係ないと思うんだよね
あなた
…っ
S.Hyt
俺は今日1日あなたの下の名前と回れて楽しかったよ
彼の手が私の頬にそっと触れた
その手は私より大きくて、優しくて、温かかった
S.Hyt
俺、もうこの演技やめたい
これからは本当にあなたの下の名前の彼氏になりたい
あなた
佐野くん…
S.Hyt
そうじゃなくて、名前で呼んで
あなた
は、勇斗…っ
あなた
私なんかで、いいの?
S.Hyt
“私なんか”なんて言うなよ
俺が好きなのはあなたの下の名前なんだから
目の前が涙で滲む
佐野くん―いや、勇斗は、その涙をそっと拭ってくれた
S.Hyt
あなたの下の名前、好きだよ。
彼の視線は、もうまぶしくなんてない
私はちゃんと目を合わせて言葉を返した
あなた
私も、好きだよ。//
S.Hyt
!! …その言葉、ずっと待ってた
勇斗にぎゅっと優しく抱きしめられる



…こうしてもらうのいつぶりだろう
元カレと別れてから一度もなかった気がする
久しぶりの感覚にまた顔が熱くなっていくのを感じた



しばらく勇斗の胸元に顔を埋めていると、彼が小さく
つぶやいた
S.Hyt
俺さ、今日ずっと“演技だから”って言い聞かせてた
あなた
…うん
S.Hyt
でもやっぱ無理だった。あなたの下の名前可愛すぎるし。
あなた
!!
S.Hyt
照れるとこも、俺の手をきゅって握るのも
全部のしぐさが可愛すぎて死にそうだった
顔を上げると、勇斗の顔が今まで見たことないくらい真っ赤になってた
彼は耳元を軽く掻くと、ふっと目を細めた
S.Hyt
俺の彼女になったんだし、いいよな
S.Hyt
チュッ(おでこにキスする)
あなた
!!!
あなた
ちょっ、勇斗…!!//
S.Hyt
本物彼氏の特権だよ
…嫌だった?
あなた
嫌、じゃない…//
少し震える声で答えると、彼は嬉しそうに笑ってまた
ぎゅーっと抱きしめられた
あなた
…今日から一緒に帰ってもいい?
S.Hyt
もちろん!
明日からもずっと隣にいてね?
あなた
…うん、離れないよ
S.Hyt
約束な?
夜空に最後の大きな花火が咲く
私たちは互いにふふっと笑いあった





偽物の恋人は、今日で終了。
でももう私はひとりじゃない

だって、私の隣には本物の恋人がいるから

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