出口治明×駒崎弘樹『世界一子どもを育てやすい国にしよう』 | 侘楼日記

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稀代の読書家であるライフネット生命会長の出口治明氏と病児保育の先駆け・NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏の日本の少子化についての対談。
 
若者の政治参加、国会の女性議員のクオーター制の導入、保育園の義務教育化、働き方改革、就学前教育の充実、大学の給付型奨学金の創設、大学授業料の無料化、、、
 
多岐にわたって、日本の現状を分析しながら、少子化の現実を改善するための方策を提言する。
 
出口氏も駒崎氏も「ファクト」と「ロジック」によって、現実をとらえることの重要性を強調する。
本書の後半の議論は、中室牧子『「学力」の経済学』に掲載されるデータにもとづくものが多い。
 
先進国中、残業時間が最長、女性の活躍度が低い日本。高度経済成長期の第二次産業の成長に適した「長時間・均質・男性主体」の労働モデルからいまだに脱却できていないことが指摘される。
同時に、高度成長期の「成功体験」がいまだに忘れられず、マインドにおいてもシステムにおいても、まだまだ転換が図られていないことも意味する。
こうした日本の現状は、名著・戸部良一他『失敗の本質』が明らかにした日清・日露戦争での成功体験に過剰適応した組織構図のまま、太平洋戦争で敗戦を喫した旧日本軍の姿とどこか重なるものがある。
 
出口氏も駒崎氏も、「声をあげること」、「怒ること」の大切さを言う。フランス革命も、米騒動も、普通の一般市民が「怒り」はじめたことから社会的なムーブメントへとつながった。
 
日本の未来のために、子どもたちの未来のために、そして、今を生きる私たち一人一人の幸せのために。やるべきことは何だろうか。根拠のない神話に縛られることから解放され、事実とファクトに基づき、未来を見据え、希望のあるビジョンを描き、そのために声をあげること。
言い古されたことのようだが、まだまだやるべきことはあるようだ。
 
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