性暴力から子どもを守る…新たな法の施行まであと半年。教員や保育士の性犯罪歴をどう確認?塾やベビーシッターは?
■性犯罪歴ある教員や従業員はこどもに接する業務に就かせない
性犯罪歴の確認は、こども家庭庁が現在開発中の専用システムを活用して、学校や保育所などの事業者からこども家庭庁に申請することで始まります。
▼学校など事業者からこども家庭庁にその教員や従業員の性犯罪歴確認を申請(戸籍情報は従業員本人がマイナンバーカード活用などでこども家庭庁に提出)。
▼こども家庭庁が法務省に性犯罪前科を照会し回答を得る。
▼性犯罪歴があった場合、こども家庭庁から教員本人や従業員本人へ通知。
まずは本人のみに通知されるため、この時点で辞職や内定辞退をすれば事業者に性犯罪歴を通知されることはありません。また、本人は罪名が違うなど通知内容が間違っている場合、2週間以内に訂正を求めることができます。
▼本人からの訂正請求がない場合、こども家庭庁から事業者に犯罪事実確認書を交付。
従業員に性犯罪歴が確認された場合、事業者はその従業員を子どもと接しない業務へ配置転換したり、内定者には内定取り消しをしたりする措置をとる必要があります。
一方、性犯罪歴がない場合は、本人への通知はなく、事業者のみに確認書が交付されることとなっています。
■現職の教員や保育士ら約280万人の性犯罪歴確認が必要…学校などは法施行から3年以内に分散して確認へ
性犯罪歴の確認が必要なのは教員や保育士などの現職者約280万人。これに加えて、新規採用者や内定者も対象となります。この約280万人について、学校などの事業者は今年12月の法律施行から3年以内に確認を終わらせるよう求められています。
こども家庭庁は性犯罪歴の照会申請が集中して混乱が生じないよう、事前に割り当てられた時期に学校などの事業者が照会を申請する「分散申請」を計画しています。
なお、学習塾やスポーツクラブなどのうち国の認定を受けた事業者は認定から1年以内に従業員の性犯罪歴の確認を行う必要があります。ということは、認定マークを表示した塾などであっても、性犯罪歴を確認するまでの最大1年間はこどもと関わる場所で性犯罪歴がある従業員が働いている可能性があるということに。この懸念についてこども家庭庁は、「事業者には研修などの準備をしてもらい、こどもを守る体制ができているのを確認した上で国が認定する」として、職場でのルールづくりや研修など事前準備が性暴力の防止につながると話しています。
性犯罪歴の申請から確認までには、日本国籍の場合2週間から1か月程度、外国籍の場合は最大2か月程度かかるとされています。申請で使う専用システムは施行日からの本格運用に向けて現在開発中。新システムに全国の事業者からの膨大な申請が来ることが見込まれる中、照会が円滑に進むか注視する必要があります。