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北朝鮮、16歳3人を逮捕「体制批判の禁制図書」回し読み…エリート科学者の子女、住民に衝撃

デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト
北朝鮮当局に逮捕された未成年と見られる2人:資料写真(北朝鮮公開の映像から=デイリーNK)

北朝鮮・平壌市の科学者居住エリアで、最高位科学者の子どもらが「反動・不純図書」を密かに回し読みしていたとして摘発される事件が発生したという。

平壌市の情報筋は1日、デイリーNKに対し、「先月中旬、平壌市恩情区域の科学者住宅街で、将来を期待される科学者の子どもである16歳の少年少女3人が、外部から持ち込まれた電子書籍を密かに回し読みしていたところ、住民の通報によって現場で逮捕される衝撃的な事件が起きた」と伝えた。

情報筋によると、3人は親が出勤している間に友人宅へ集まり、携帯電話や小型コンピューターを使ってSDカードに保存された文書ファイルを閲覧していた。押収された機器や記録媒体には、外国から流入した北朝鮮体制を批判する禁制図書や韓国の小説など、いわゆる「不純図書」が保存されていたという。

事件は、3人の集まりを不審に思った人民班(町内会)住民の通報によって発覚した。通報を受けた区域安全部(警察)職員らは直ちに住宅へ踏み込み、家宅捜索を実施。現場で不純図書のデータが保存されたSDカードや電子機器を証拠品として押収し、3人を逮捕・拘留した。

事件の情報は近隣だけでなく、周辺の研究所団地にも瞬く間に広がった。現地では、「国から最高の待遇を受ける科学者の子どもが韓国の電子書籍を読んで逮捕され、町全体がまるで葬式のような雰囲気になった」「対応を誤れば子どもだけでなく、一生を国家研究に捧げてきた親までも革命の敵とみなされ、地方の僻地へ追放されかねず、息をするのも怖い」といった声が聞かれているという。

(参考記事:「一家が跡形もなく消えた」北朝鮮”赤い貴族”の許されざる罪

情報筋は、「普段から国家の特別な待遇を受ける科学者家庭でこのような事件が起きたため、波紋はさらに大きい」とし、「科学者やその家族は、自分たちにも火の粉が降りかかるのではないかと恐れ、極度に身を慎む雰囲気になっている」と語った。

当局は今回の事件を、単なる少年の非行や好奇心による問題とは見ていない。情報筋は、「当局は、国家最高レベルの頭脳を持つ科学者の子どもたちが、党の思想的防火壁を突破して流入した電子媒体によって資本主義思想という毒素に汚染されたと見ている」と説明。「単なる非行ではなく、体制転覆につながる思想的変質行為と規定し、どのように処分するかを協議する対策会議を続けている」と伝えた。

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デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)など。YouTube「高英起チャンネル」でも独自情報を発信中。

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