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「SNS対策」は手段にすぎなかった

だが松井氏にとって、「SNS対策」は手段にすぎなかった。はじめから総理の名前を暗号資産ビジネスに利用するために、高市事務所に近づいたとみられる。そのことを示すのが、筆者が入手した内部資料だ。

'25年7月版のノーボーダーの「投資家様向け説明資料」には、暗号資産「NoBorderトークン」の構想が記されている。それが総裁選で木下氏とのやりとりを深めた後、同年11月の資料では、「サナエトークン」という名称に変わっているのだ。

7月版の営業資料では「NoBorderトークン」になっている
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木下氏は総裁選を機にノーボーダーから資料提出を受けたり、松井氏とオンライン会議をする関係になっていった。

「12月17日のオンライン会議は、NoBorder側からの求めに応じて行ったもの。(中略)参加者へのインセンティブとして暗号資産を配布するアイディアについて説明があったものとおもわれる」(木下氏の4月3日付回答)

ただ木下氏は、そこで「サナエトークン」という言葉は出てこなかったと説明する。一方、松井氏のビジネスパートナーの溝口勇児氏は、ネット番組で「(サナエトークンを知らないという高市事務所の発信に)えっと思った。松井とかはハシゴ外されたと思っている」と語っていた。

では、松井氏が文春や共同で告発しはじめた「動機」は何か? 【後編記事】『「高市総理も文春もみんな“この男”に踊らされてしまったのか…」誹謗中傷動画を告発したキーマン・松井氏に《深刻な疑義》』で詳報する。

取材・文/河野嘉誠(ジャーナリスト)

'91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している

「週刊現代」2026年7月6日号より

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