公報持ち込みはOK?付き添いは? 「選挙のバリアフリー」を考える

大坪実佳子
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 障害の特性によって、選挙の投票に行きづらい人たちがいる。特性は様々で、それぞれに個別の配慮が求められる。どんな支援があれば、誰もが投票しやすくなるのか。

 愛知県瀬戸市に住む池戸美優さん(26)は、重度の知的障害がある。母の智美さんは、長女の美優さんが初めて投票権を得た19歳のときから、投票には欠かさず一緒に行ってきた。

 美優さんは、話したり、字を読み書きしたりするのが難しい。写真があった方が、紙をぽんぽんとたたくなどして「この人に投票したい」と意思表示をしやすい。

 しかし、写真が載っている選挙公報は持ち込めるのか。慣れない投票所で不安になる美優さんに、付き添っていいのか。智美さんは当初、わからずに悩んだという。選挙のたびに市の社会福祉課などで相談し、今では公職選挙法の範囲内ということでいずれも認められた。

 智美さんは「多くの人に、どんな支援が可能なのか知ってもらいたい。私の一票も、娘の一票も、重みは同じ。障害がある人も、全ての有権者に含まれている」と話す。

 今年3月、自身が代表理事を務めるNPO法人の主催で「障害者への投票支援~選挙のバリアフリー~」と題した講演会を瀬戸市で開いた。初めての試みだったが、県内外から、障害がある当事者や家族、自治体職員、福祉事業所の職員ら73人が参加。車いすや人工呼吸器を付けた人もいた。

 講演では、総務省の「主権者教育アドバイザー」でもある東京都狛江市の平林浩一副市長が、狛江市では障害がある子の親の会などと協力し、「わかりやすい政見動画」を作ったり、福祉事業所で模擬投票をしたりしてきたことを紹介。講演後のアンケートで、参加者からは「息子が身体と知的の障害があり、慣れない人が苦手。行き慣れた事業所や病院などで投票できれば」などの声が寄せられた。

 平林さんは「『意思のない人はいない』をモットーに掲げてきた。ネット投票など、誰もが参加しやすい仕組みづくりを、もっと進める必要がある」と話す。

 総務省によると、公選法では、投票所の投票管理者が「やむを得ない事情がある」と認めた場合は、家族や通訳・介助員などが投票に付き添うことを認めている。選挙公報の持ち込みも禁じられてはいない。ただ、第三者による不正な誘導を防ぎ、投票所で居合わせたほかの人への影響も考慮する必要があることなどから、「やむを得ない事情」に明確な基準はない。自治体や投票所によってまちまちなのが現状だ。

 札幌市京都市宮崎市などでは、よくある質問をイラストや文字でわかりやすく記した「コミュニケーションボード」を投票所に置いているという。

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