ABOUTフェア概要
『技術圏.』は、従来のテクノスフィア概念を踏まえつつ、技術および技術書という領域の境界を、異なる知との接続によって新たな意味へと再定義する文化的・解釈的なプロジェクトです。
本フェアは早川書房 × 技術評論社による共同開催フェアです。
両社を代表する「SF作品」と「技術書」を対応させながら紹介します。
フィクションの世界でSF作家たちが思い描いた想像上の未来と、現実世界でエンジニアたちが組み上げてきた実際の技術。この2つの視点を交差させることで、私たちの現在地とこれからの未来を立体的に提示します。
70th ANNIVERSARYAI誕生から70年
1956年、ダートマス会議で「人工知能(AI)」という言葉が生まれました。
その後70年間、人類はAIという存在を想像し続けてきました。
その想像力を最も豊かに描いてきたのがSFです。
本フェアでは、SFが描いてきたAIの未来と、
実際の技術の進化を重ね合わせながら紹介します。
TIMELINESFと技術でたどるAIの70年
テクノロジーの進化は止まらない
日々急速に進化を遂げるAI技術。
SFが語った未来が現実となり、また新たな可能性が生まれています。
AIと共に私たちが歩むこれからの物語は、どのような景色を見せてくれるでしょうか。
この空白を埋めて研究者やエンジニアを強く駆動してきたのがSFなんです。
学問的な定義がないから、彼らは個人的に摂取したSF作品から作るべき知能のビジョンを借りてきているんです。
BOOK SETSSF × 技術書 ペア紹介
機械は人間に従うべきか?
AIという言葉が生まれる以前、アシモフはすでに「機械は人間に従うべきか」という問いを提示していました。ロボット三原則は、現代のAIアライメント問題に連なる出発点です。
AIが感情を持ち、人間と区別できなくなったとき「人間らしさ」はどこに宿るのか?
人間と見分けのつかない存在が現れたとき、「人間らしさ」はどこに宿るのか。AIが感情や対話を扱い始めた現在、この問いは現実の問題として立ち上がっています。
「人間のほうがボットっぽくて、アンドロイドのほうが人間っぽい。
人間とアンドロイドのシームレス感があるんです。
そのあたりの感性はすごく面白いですし、自分が好きなアンドロイド観でもあります。」
物理的な境界を超えて、システムと人々の認知がハッキングされる時代とは?
ネットワーク空間に接続される人間と知能。人々の心理すらも標的になるサイバースペースの攻防は、現代のネットワーク・セキュリティと直結しています。
「AIがすべての脆弱性を洗い出しても、セキュリティ事故は消えません。最後に突破されるのは常に「人」だからです。
本書は、人を取り巻く攻防の構造を解明し、攻撃者から組織を守るための実践的な知見を提供します。」
AIのアルゴリズムが、情報を通じて人間の行動や社会を制御するようになったら?
情報や言語を通じて人間の行動が制御される世界。AIは単なる道具ではなく、意思決定や社会構造に介入する主体へと変化しつつあります。
「言葉を伴わないダンスを、あえて言葉だけで表現するという超絶技巧に脳を揺さぶられた。
背後に「経験」の存在を感じるが、もし自然言語処理でこんな文章が生み出せるのなら、「人間らしさ」とは何か、自分の答えが見つかりそうだ。」
AIが都市全体を制御し、社会のインフラ基盤となる未来とは?
都市そのものが高度に設計され、維持される世界。AIは個別の存在ではなく、社会基盤として埋め込まれる段階へと進みます。
「アーサー. C. クラークの第3法則「十分に進歩した技術は、魔法と見分けがつかない」に深く共感します。プレシンギュラリティに入った今、常識や前提が書き換えられる時代。「ありえない」は禁句。これから起こる不可思議を見逃さず、発想をワープさせる時代です。」
『2080年への未来地図』著者知性とは何か。私たちは世界をどう認識し、モデル化しているのか?
知性はどのように世界を理解するのか。『息吹』はその問いを根源的なかたちで描きます。生成AIが世界をモデル化する現在、この問題は理論と実践の両面で現実化しています。
「 表題作『息吹』は、機械生命体が自身の脳の仕組みを理解し、世界の終焉を確信しながらも存在の尊さを見出す物語です。
AIによって世界がどうなるかは未知数ですが、本書を読むことで生成AIの仕組みを理解し、その存在の奇跡について考えるきっかけになれば幸いです。」
現在の言語AIは膨大なテキスト情報を処理して賢く見えますけど、身体性がないという決定的な弱点があるんです。
世界を認識して解釈しているのは頭の中の論理ではなくて、身体を通じた経験なのです。
AIは実際にガラスに触れた経験がなくて暗闇の中にいる言語の化け物に過ぎないんです。
AIが思考し自律行動する「エージェント」になったとき、私たちはどう関係を築くのか?
AIはもはや受動的な道具ではなく、自らタスクを遂行する存在へと進化しつつあります。人間とAIがいかに協働するのか──その問いが日常レベルで現実になり始めています。
「「AIがこう言っています。あなたはどう思いますか?」物語は、子どもの親友や相談相手としてAIが寄り添う未来や、時にはトロッコ問題をアルゴリズムで決定するエンターテインメントを描いてきました。その想像が日常に近づくほど、結論を受け取る側の根拠が問われます。実は、いまAIと呼ばれているものの中には、自分の手で組み立てて中身を確かめられるものも含まれています。」
『作って学ぶAIエージェント』著者生命現象や脳がデータ化され、アルゴリズムとして解釈・再設計される時代とは?
人間の脳や生命現象そのものがモデル化され、データとして扱われる未来。ブラックボックス化するAIの判断を「解釈」し、生命と機械のアルゴリズムを対比させる研究が進んでいます。
「 人間の行動を予測するAIが「なぜそう判断したか」を説明できない場面に、実務で何度もぶつかりました。
AIモデルをブラックボックスにせず、その判断根拠を理解するための一歩を踏み出しましょう。」
INTERVIEW ARCHIVE
三宅陽一郎 氏 インタビュー
SFが描く人工知能の軌跡と未来のビジョン
AIはどこから来て、どこへ向かうのか。
SF、人工知能、身体性、エージェントAI、そして技術書を読む意味について、三宅陽一郎氏に伺いました。
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知識の量じゃなくて問いのコアの質が良いことこそが、学びを継続させる原動力になります。
でもそこから先は、自ら新しい問いを生み出し続ける人だけが、自分自身の探究という旅をスタートさせることができるのです。
物語は問いを残す。
技術は答えを探す。
未来は、想像と実装のあいだにある。
その往復を、ぜひ体験してください。
「SFはいつも、現実にはまだ存在しない生き方の名前を先に与えてくれた。だから私はバーチャルな存在になれたし、『メタバース進化論』でその意味をどうしても書きたかったのです。」
『メタバース進化論』著者