提訴について会見した少女の母親の代理人、向井義博弁護士(左)と佐々木正博弁護士(6月17日、神戸市)
提訴について会見した少女の母親の代理人、向井義博弁護士(左)と佐々木正博弁護士(6月17日、神戸市)

「間違いが明らかになったら謝って」

 少女は「冤罪」で逮捕され、容疑を認めなかったことから「人質司法」で長期間勾留され続け、体調を崩して命まで失ってしまった。母親はこう訴える。

「十分な捜査もせずにいきなり逮捕した明石署、まだ16歳で逃亡の恐れもないのに、2度も勾留延長をした神戸地検はおかしい。裁判ではどうして娘が命を失ったのか、それを明らかにしたい。警察や検察は、裁判で間違っていたことが明らかになれば、謝ってほしい」

 元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう指摘する。

「この件では、警察、検察、裁判所、それぞれに大きな問題がある。一番の問題は検察だ。亡くなった女性は未成年の16歳であり、暴行の被害者とされる人は診断書などもなく客観的な証拠もないのだから、身体拘束は極めて慎重にしなければいけなかった。警察が逮捕したとしても、送検されたときに検察は女性から事情を聴いているので、その時点で逃亡の恐れなどないことははっきりしていたはず。そこで勾留しなければこんな悲劇はおこらなかった。それどころか、自白を得ようとして、女性の年齢や精神状態、健康状態などを考慮せず、勾留延長を請求、通らないと準抗告。本来、警察を止めなきゃいけない検察が、一緒になって自白獲得に動いている。国家賠償訴訟は違法性を争点に争われるのでしょうが、それ以前に、常識としてあり得ない捜査、勾留だ」

(AERA編集部・今西憲之)

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