「娘はさぞ怖かったろう」と話す少女の母親
「娘はさぞ怖かったろう」と話す少女の母親

証言者は「オーバーに言ってしまった」と謝罪

 なぜ逮捕されたのか。母親の代理人である向井義博弁護士の説明によると、こうだ。

「バレンタインイベントでXさんが暴れそうになったとき、少女と男性スタッフが止めようとしてあごのあたりに触れた。それを見ていた参加者のYさんが後日、ある市役所の障がい福祉課の職員に、少女やスタッフによるXさんへの対応は虐待なのではないかと話した。それがXさんの親に連絡され、Xさんの親が明石署に被害申告をした。明石署は少女の母親や施設に事情聴取もせず、他の参加者にも十分に話を聞かず、周辺捜査もしないまま、Yさんの話だけで逮捕したのです」

 ちなみに暴行を受けたとされたXさんにけがはなく、医師の診断も受けていないという。

 虐待ではないかと証言したYさんは施設の利用者だった。向井弁護士によると、少女が死亡した後に少女の母親と面談した際、Yさんは、少女らがXさんのあごを押さえたと市職員や警察に言ってしまったが、実際はあごに手を添えていたのであり、「オーバーに言ってしまってすいませんでした」と謝罪したという。

 だが、そのYさんの証言をもとに少女は逮捕され、執拗に“自白”を迫られることになった。接見が禁じられ、弁護士以外は面会できない状態になり、女性用の留置施設がある県警小野署に移送された。弁護士が差し入れた被疑者ノートに少女が記したメモによると、少女は午前中と、昼休憩から午後3時ごろまで、休憩後から夕食まで、夕食後と、1日4度、計5時間以上の取り調べを受けた。

「施設をつぶしたいわけじゃないねん」

 ノートに記された記述を見ると、警察の取調官は、次のように脅迫めいた言葉で“自白”を迫っている。

〈すなおに言え、しょうじきに言ってくれ〉
〈少年(院)に行きたいんか、いつまでがんばれるん?〉
〈別にしせつをつぶしたいわけじゃないねん。お母さんこまらすな〉

 そして、こんな言葉で追い込んでいる。

〈みんなと言ってる事とあなたが言ってる事がちがうのはなんでやろうな おかしくないか 自分がけいさつかんやったらおかしいと思わん〉

 実際には他の人たちが暴行について証言していなかったので、このメモ通りなら虚偽に基づく取り調べだろう。

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