相次ぐクマ人身被害、八甲田観光に影響も
青森市荒川の八甲田山系で、クマの襲撃が疑われる男性遺体が発見されてから一夜明けた30日。相次ぐクマ被害で宿泊施設の予約キャンセルが起きたり、キャンプ場が休業したりするなど、八甲田観光への影響が出始めた。同日、青森市などが決めた一部エリアの入山自粛措置には、関係者から肯定的な意見が聞かれた。 数日前まで多くの登山客の姿が見られた酸ケ湯温泉近くの登山口。人身被害発生を知らせる物々しい警告看板が設置された30日は、人影がまばらだった。 被害現場に近い同温泉では24日の人身被害発生後、7、8月の宿泊予約が30件近くキャンセルとなった。同温泉営業企画室の高田新太郎係長(37)は、宿泊者の多くが登山目的のため「クマ被害で不安に思う人が多かったのでは」と推察した。 同温泉は7月末まで、管理する酸ケ湯キャンプ場を臨時休業とした。キャンプは屋外での活動が主体となることから、クマがキャンプ場まで移動してくるリスクを考慮した。 30日、青森市が国や県と決めた一部の登山道や山林への入山自粛措置。2024年、クマによる死亡事故が起きた際は同じエリアを立ち入り禁止にしたが、今回は規制せず、クマ被害の危険性が高い山菜採り客に対し、重点的に入山を控えるよう呼びかける予定だ。 入山自粛について、山頂駅近くの遊歩道がエリアに入る八甲田ロープウエーの石村明弘社長(60)は「事業者への配慮を含めた判断だと思う。入山規制時はロープウエーの利用が相当落ち込んだので助かる」と語った。 同温泉ガイド課の津川祐二係長(57)によると、入山規制中、それまでクマが確認されなかった登山道上でクマ出没の形跡が見られた。「人が立ち入らない期間にクマが活動域を広げていた。今回は規制ではないため、登山客の安全確保に向け、クマ撃退スプレーの携帯やクマよけの笛の利用を促したい」と話した。