松井氏の“告発”に踊らされるメディアたち
松井氏は信頼に足る人物とは言いがたい。そして、いまや松井氏によるメディアへの「告発内容」にも深刻な疑義が生じている。
共同通信社は6月12日に公開した松井氏のインタビュー記事について、内容の訂正と写真の削除に追い込まれた。提供された「総裁選期間中に作成した」とする動画に、今年2月の衆院選における高市総理の写真が使われていたのだ。時系列がおかしく、松井氏が取材用に捏造した可能性が高い。
「松井氏は動画の痕跡をすべて消したと説明しているが、木下氏もアカウントを知らされていなかった。松井氏が実際にどれだけ動画作戦をやっていたのか、極めて怪しいのです」(松井氏周辺)
共同通信のみならず、松井氏の「独占告白」をいち早く報じた『週刊文春』も深刻な問題を抱える。同誌に問い合わせると「誌面で検証する」と答えたが、世論が松井氏の虚言に惑わされ、逃げ切りのための時間稼ぎに利用されたとすれば、その罪は重い。
松井氏の「ウソ」はこれだけではない。共同通信や週刊文春は松井氏の経歴について、「自民党副総裁の麻生太郎氏が関係する麻生グループ運営の専門学校卒業後に、同グループ中核企業・株式会社麻生に入社した」と紹介している。だが、同社の管理本部長はこう答える。
「事実ではありません。グループ中核の麻生本部ではなく、'13年に私どもが福岡で営む新飯塚ステーションホテルというビジネスホテルに1ヵ月半だけ在籍しており、同年の5月22日を最後に出勤していません。共同と文春からは、在籍確認はなかった」
麻生本体ではなく、麻生グループが運営するビジネスホテルにわずかな勤務歴があるだけなのだ。メディアは裏取りもせず、松井氏が語る虚偽の経歴を垂れ流していた。