【 「セラース・インジェクター」(Sellers Injector) 】
第 1498図は米国製「セラース」式「インジェクター」を示す。図中1は「ケース」、2は蒸気の入口、3は水の入口、4は水の出口、5は「オーバーフロー」の出口、6は蒸気を加減する「レバー」、7は水を加減する把柄、24は蒸気を「タンク」内に逆流せしむるとき「オーバーフロー・バルブ」8を閉塞するための「エキセントリック・レバー」なり。
この「インジェクター」を使用せんとするときは、まず「ウォーター・バルブ」9を開き水をして水室 10に入るの途を開き、次に蒸気室2に蒸気を導き「レバー」6を前方に引きて「バルブ」11を開き、蒸気をして12なる小孔より「リフティング・ノズル」13に進ましむべし。しかるときは蒸気の一部は直ちに輪形「コンバイニング・チューブ」14に入りて、「オーバーフロー」15より一部は「コンバイニング・チューブ」20における他の「オーバーフロー」16及び17より逃れ出でて、「オーバーフロー・チャンバー」18に入りさらに「オーバーフロー・バルブ」8を押上げ外部に逃出すべし。
しかして水室 10内に強き真空を生ずるをもって、水はこれを充さんがために「タンク」内より進入し来り蒸気と合して速度を得、さらに「コンバイニング・チューブ」20に放射すべし。然るときにさらに「レバー」6を前方に引きて、「スチーム・バルブ」11をして「スチーム・ノズル」19と全く離れしむるときは多量の蒸気は19に入り、19の周囲より注射しつつある水流と触接し多量の蒸気と多量の水量と好位置に合体し、「デリバリー・チューブ」21及び「チェック・バルブ」22を容易に通過して缶内に入るべし。
「レバー」6はこれを二段に前方に引くべきものなれども、蒸気の速度は迅速なるをもってこれを引くに別に一時中止するに及ばず。漸次にこれを動かせば足れりとす。
「エキセントリック・レバー」24により「オーバーフロー・バルブ」8を閉ぢ、「バイパス・バルブ」23及び「スチーム・バルブ」11を開くときは、蒸気は直ちに水管3より「タンク」内に逆流すべし。この作用は水管または「タンク」内の凍結を防ぐため、または「ストレーナー」の障碍物を除去するとき、もしくは水管の漏洩を検査するときに応用す。
「セラース」会社の実験する所によれば、この「インジェクター」の1時間の給水量その他は第 70表に示すがごとし。
第 1499図は「セラース」会社が 10¹/₂ 形「インジェクター」によって、その最大及び最小給水量を試験せる結果を説明せる指示図にして、各蒸気の圧力及び各給水温度に対し、「インジェクター」が給水し得る最大及び最小水量の範囲を示すものなり。
例へば給水の温度華氏 65度にして蒸気の圧力 200ポンドなる場合には、給水し得べき最大水量は1時間に付き 4068「ガロン」(米「ガロン」以下同じ)にして、最小水量は 1846「ガロン」なり。すなわち加減し得べき給水水量の範囲は 2222「ガロン」なる事を知る。しかして最大水量の線と最小水量の線と交叉する点は、当該温度の水に対し当該圧力によって「インジェクター」を掛け得る終点にして、それ以上の圧力にては水が「オーバーフロー」に逸出する事を意味するものなり。
例へば 175ポンドの蒸気にて掛け得る水の最高温度は華氏 110度にして、275ポンドの蒸気にて掛け得る水の最高温度は 80度なるがごとし。これを換言すれば蒸気の圧力高ければ給水温度低きを要すべく、給水温度高ければ蒸気の圧力は低きを要するものなり。実験によれば 40ポンドの蒸気は華氏 140度の水を揚ぐべしと言えども、150ポンド以上の蒸気は 110度以上の水を揚ぐること困難なり。図に示す〇印は試験によって得たる点にして、この指示図はこれを頼りて適当なる曲線を作りたるものとす。
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