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2024年4月の記事

2024年4月30日 (火)

機関車工学:中巻(その278)煙室・煙突及びブラストパイプ:延長煙室

【 延長煙室(Extended Smoke Box) 】



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 第 1428または 1438図に示せるは短小「スモーク・ボックス」(Short Smoke Box)と称し、英国において多く使用せらるる形式にして、米国及び欧州大陸においては延長(Extendet)「スモーク・ボックス」と称する形式を採用せるもの多し。

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 この形式は第 1439及び 1440図または 1441図のごとく「スモーク・ボックス」が前部に延長せられ、短小「スモーク・ボックス」に比すればおよそ2倍の容積を有するものとす。この形式の利益と称せらるる点は左のごとし。

 第1
 その容積大なるをもって「スモーク・ボックス」内圧力の変差少なく、従って通風(draught)の平等なること。

 第2
 通風(draught)平等なるをもって「ファイア・ボックス」より未燃の粉炭を誘出せざること。及び火粉(spark)の噴出を減ずること。

 第3
 容積大なるをもって火粉止(spark arrester)の設備を完全ならしむることを得、且つ室内に火粉(spark)を溜堆するの余地あること。

 

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2024年4月29日 (月)

機関車工学:中巻(その277)煙室・煙突及びブラストパイプ:ペチコートパイプ

【 「ペチコート・パイプ」(Petticoat Pipe) 】

 英国形機関車においては長き「ブラスト・パイプ」を有するをもって、「スモーク・ボックス」内の通風(draught)は「チムニー」の下部「ノズル」の付近最も強きものにして、ガスの多くは上部の「チューブ」を通過するの傾向あり。下部の「チューブ」は比較的伝熱力に乏しきのみならず煤灰停滞して往々これを閉塞することあり。


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 米国にては第 1434及び 1435図または第 1436及び 1437図に示すがごとく、「チムニー」の下部より「ペチコート・パイプ」と称する管14を垂下し極めて矮少なる「ブラスト・パイプ」5を用ふるを例とす。この構造においてはガスは「ペチコート・パイプ」の上下において排出せられ、「スモーク・ボックス」の上下に空虚を生ずるの理なれば、ガスは上下の「チューブ」を平等に流通するのみならず、また大いに通風(draught)を平穏ならしむるの利あるものなり。

 この構造は欧州各国においても現今広く採用せらる。また第 1438図のごとくこれを二重ないし五重となし、もって「チューブ」の各部を通じて平等なる通風(draught)を得るよう装置したるものあり。

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 「チューブ」より「スモーク・ボックス」内に進入し来る火粉(spark)は、放出蒸気(exhaust steam)と共に「チムニー」に噴出せられ運転中沿道の事物に放火するの恐れあるをもって、「チムニー」内には「スパーク・アレスター」(火粉止)と称する金網または金簾の類を取付け、これによってその噴出せんとする火粉(spark)を防止するの装置あり。

 しかれども微細なる網目をもって火粉の噴出を防止せんと欲せば、為に通風(draught)を妨害するの恐れあるをもって、狭隘なる「スモーク・ボックス」においては完全にその目的を達する事あたわざるべし。けだし近来米国その他欧州大陸において広く採用せられたる延長(extended)「スモーク・ボックス」においてややこの目的を達することを得べし。

 

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2024年4月26日 (金)

機関車工学:中巻(その276)煙室・煙突及びブラストパイプ:煙室の戸

【 煙室の戸(Smoke Box Door) 】

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 第 1430及び 1431図は英国形機関車に属する「スモーク・ボックス」の戸の構造を示す。戸の外面1を弧状となしたるはその強さを増加するがためにして、その内部に「プロテクション・プレート」2を取付けたるは「スモーク・ボックス」内の熱によって戸の焼損するを防御するの目的なり。

 「スモーク・ボックス」は機関車の前頭にありて進行中空気の抵抗を受け、列車の抵抗に大なる影響を与ふるものなれば、欧州大陸における急行列車用機関車にはその戸を円錐状となすもの多し(上巻第 115ページ第 86図参照)。戸の円錐状をなすものは熱のためその変形するを防ぐにまた有効なり。

 戸は蝶交(hinge)によって開閉せられ、その中心に貫入せる「ピンチング・スクリュー」4によって、「スモーク・ボックス」内に横架しある「ロッキング・バー」3に締付けらるるものとす。しかしてその閉鎖せられたるときは「フロント・プレート」と相密接して空気の通せざるを要すべし。否らざればこれより進入したる空気は室内の真空を殺減するをもって通風(draught)の効力を減退し、「ファイア・ボックス」内石炭の燃焼を妨害し、且つ「スモーク・ボックス」内における半燃のガス及び灰燼を再燃し、「フロント・プレート」及び戸を焼損するの原因となるべし。故に戸が「フロント・プレート」に触接せる部分は精密に摺合せをなし堅く密着せしむるを要するものとす。

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 米国においては戸を締結するに「ピンチング・スクリュー」を用ひずして、第 1432及び 1433図のごとく数多の「クリップ」によって戸の周縁を「フロント・プレート」に締結するの法を採用せり。近来我国においては「ピンチング・スクリュー」を用ふるの外にこの「クリップ」を併用するもの多し。

 「フロント・プレート」における戸の大きさは、汽缶内に「チューブ」を出入しまた「チューブ」を掃除するに当り、「チューブ・ロッド」を使用するに差支なき程度をもって充分その径を大きくなし、且つ「スチーム・パイプ」及び「ブラスト・パイプ」の出入、または「スモーク・ボックス」内に停溜する灰燼の掃除に便なるを要すべし。

 

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2024年4月25日 (木)

機関車工学:中巻(その275)煙室・煙突及びブラストパイプ:概 要

第9章 煙室・煙突及び「ブラスト・パイプ」(Smoke Box・Chimney and Blast Pipe)

【 概 要 】

 「スモーク・ボックス」は汽缶の前部に取付られ「チューブ」より流出する既燃のガスを受納する空室にして、室内には「スチーム・パイプ」及び「ブラスト・パイプ」を容れガスの温度によってこれら管内にある蒸気を温め、また上部に「チムニー」を有しここに放出蒸気(exhaust steam)を利用して室内のガスを排出するの通路とす。

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 第 1428及び 1429図は英国形機関車の「スモーク・ボックス」にして鋼板にて製せらる。その両側及び頂部の厚さは通常 4分の1" ないし 8分の3" にして、「フロント・プレート」は 8分の3"、戸(door)は 8分の3" ないし 2分の1" なるを普通とす。米国にては「フロント・プレート」及び戸を鋳鉄にて製することあり。

 

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2024年4月24日 (水)

機関車工学:中巻(その274)煙 管:サーブチューブ

【 「サーブ・チューブ」 】

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 第 1426及び 1427図に示すは、主に仏国「パリ・リヨン」地中海鉄道において使用せらるる「サーブ・チューブ」と称する一種の「チューブ」にして、その特徴は図に示すがごとく「チューブ」の内部に突起せる部分ありて、その部分がガスに触接して伝熱の効率を増進するにあり。

 この「チューブ」は内部に多数の突起を有するをもって、普通の「チューブ」よりはその径を増大せざるべからざるをもって「チューブ」の総数を減退せざるを得ざれども、突起の部分がガスに接触するをもって大に伝熱面を増加し得べく。試用の結果は普通の「チューブ」に比して多少蒸発力を増進するの効力あることを証したり。しかれども「チューブ」の内部に停滞する煤塵を掃除するに困難なるの不利益あるをもって広く使用せらるるに至らず。

 

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2024年4月23日 (火)

機関車工学:中巻(その273)煙 管:フェルール

【 「フェルール」(Ferrule) 】

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 「ファイア・ボックス」方面における「チューブ」の縁端は火焔の入口にして最も焦損し易き部分なるをもって、第 1419図のごとく鋳鉄製または鋼製の「フェルール」と称する円錐形の環輪を「チューブ」の口内に打込むを例とす。この方法は単に「チューブ」の焦損を防ぐに有効なるのみならず、その取付けを堅牢ならしめ且つ蒸気の漏洩を防ぐに適当なるものとす。鋳鉄製「フェルール」は厚くして「チューブ」の口径を縮小するをもって近来はもっぱら鋼製のものを用ふ。

 

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2024年4月22日 (月)

機関車工学:中巻(その272)煙 管:チューブの取付方法

【 「チューブ」の取付方法 】

 「チューブ」を「チューブ・プレート」に取付くるには、単に「チューブ」を「チューブ・プレート」の孔中に挿入し、「チューブ」の内部より「エキスパンダー」と称する器具をもってその口径を押し広め、「チューブ」の外面と「チューブ」孔の内面とを堅く相密接せしめ、もって蒸気の漏洩を防ぐにあり。

 既に述べたるがごとく、「チューブ」は「チューブ・プレート」面における蒸気の圧力を支持し支柱(stay)の代用をなすものなれば、その両端「チューブ・プレート」に取付けある部分は唯に蒸気の漏洩を防ぐを要するのみならず、また「チューブ・プレート」の膨出するを防ぐに充分堅牢なる取付を要するものなり。

 「チューブ」を「チューブ・プレート」に取付くる普通の方法は、単に「エキスパンダー」にて「チューブ」の内部を押広げたるままにして、その摩擦力は「チューブ」が「ステー」として蒸気の圧力を支ゆるに充分なる力を有するものなり。

 しかれどもなおその取付を堅牢ならしめんがため前記諸図のごとく、その縁端を反曲して「チューブ・プレート」に打付くることあり。鋼製「チューブ・プレート」を用ゆるものは、その厚さ薄きをもって多くはこの方法によるを例とす。また鋼「チューブ」及び鋼製「チューブ・プレート」を用ゆるものは、「チューブ」の外部に薄き銅製の「ライナー」、すなわち薄き銅管を挿入することあり。けだし銅は柔軟にして「チューブ」と「チューブ・プレート」との間によく相合し、蒸気の漏洩を防ぐに有効なればなり。

 

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2024年4月19日 (金)

機関車工学:中巻(その271)煙 管:チューブ孔及び心距

【 「チューブ」孔及び心距(pitch) 】

 「チューブ」と「チューブ」との心距小なるときは「チューブ」の数を増し、従って伝熱面を増加することを得べしと言えども、小に過ぐるときは「チューブ」に付着する「スケール」を掃除するに不便なるのみならず、水の循環不良となり「プライミング」を起す原因となるものなり。また「ピッチ」小なるときは「チューブ」の孔と孔との間隔において「チューブ・プレート」に亀裂を生ずるの恐れあり。

 「チューブ」孔は「エキスパンダー」にて時時押広げらるるをもって、漸次拡大してその間隔は次第に減少すべし。銅製「チューブ・プレート」において特にしかりとす。その間隔いよいよ減少するに至ればついに亀裂するに至り、蒸気漏洩して再び用ゆ可からざるに至るものなり。汽缶の保存上最も厄介なるは「ステー」の折損に次ぎては、銅製「チューブ・プレート」における「チューブ」の孔と孔との間隔亀裂することなり。

 鋼製「チューブ・プレート」においては孔の拡大することも少なく、「プレート」の亀裂することもほとんど稀なるをもって、銅製「チューブ・プレート」に比すれば「チューブ」の「ピッチ」をいく分か減縮することを得るものとす。しかれども鋼製「チューブ・プレート」は「フランジ」における鋲孔の付近亀裂すること速かにして、結局銅製「チューブ・プレート」よりも生命短きを免れず。

 銅製「チューブ・プレート」を用ふるものは、前記間隔を 8分の5" ないし 4分の3" となすもの多かりしが、近来はその亀裂を防がんがため多少これを増大するの傾向あり。

 プロイセン官有鉄道においては従来内径 45ないし 50「ミリメートル」、すなわち 1と32分の25 ないし 1と32分の31 インチの「チューブ」にして、「ピッチ」を 65ないし 68「ミリメートル」、すなわち 2と16分の9 ないし 2と16分の11 インチとなすの例なりしが、近来は「チューブ」の数を減少してこれを 75「ミリメートル」、すなわち 2と32分の31 に改めたり。また「フランジ」の付近亀裂し易き部分に多分の面積を残す事とせり。

 けだし「チューブ」の伝熱面は、「ファイア・ボックス」の伝熱面に比して蒸気発生上の効力はるかに小なるものなれば、「チューブ」の数を減じて「チューブ・プレート」の強度を増加するを得策とすればなり。第 1418図はプロイセンにおける「チューブ」配列法改良の一例を示す。

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 「チューブ」は「スモーク・ボックス」の方面より挿入し、またその方面に抜き出すものなれば、「チューブ」の孔は「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」においては「チューブ」の外径よりも少しく大きくなさざるべからず。

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 しかして第 1419図に示すがごとく、「チューブ」もまたこれに従ひその太さを異にせざるべからず。この図は本邦において用ゆる「チューブ」の実例を示すものにして、「スモーク・ボックス」方面における「チューブ」の外径はその他の部分よりも 32分の1" 大なり。欧州各国においては 8分の1" ないし 32分の5" 大なるを普通とす。また「ファイア・ボックス」方面における「チューブ」の一端は、ことさらその口径を絞ることあり。けだし「チューブ」の口径を縮小するは「チューブ・プレート」の孔と孔との間隔を増大し、もってその部分の亀裂を避くるの目的にして銅製「チューブ・プレート」においてその必要を認むべし。

 欧州大陸においては多く銅製「チューブ・プレート」を使用するをもって、8分の1" ないし 16分の5" その口径を絞るを例とす。時として 16分の7" に達することあり。第 1420ないし 1425図はその実例の2~3を示す。

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2024年4月18日 (木)

機関車工学:中巻(その270)煙 管:チューブの配列

【 「チューブ」の配列 】

 「チューブ」の配列に3種の方法あり。

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 第 1416図(a)(b)(c)に示すがごとく交互に横に配列したるもの。第2、交互に竪に配列したるもの。第3、竪横に整列したるものこれなり。第2及び第3の場合においては「チューブ」と「チューブ」との間隔、竪の方向に通過せるをもって缶水の循環良好なるのみならず、「チューブ」の外面に不着せる泥垢を落下するに便なるものとす。

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 第 1417図は、第 1294及び 1295図に属する「チューブ」の一例を示す。

 

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2024年4月17日 (水)

機関車工学:中巻(その269)煙 管:チューブの長さ

【 「チューブ」の長さ 】

 「チューブ」は熱のため常に膨張または収縮するものにして、その膨張したるときは「チューブ・プレート」を押出し、収縮するときは「チューブ・プレート」より抜け出でんとするの傾向ありて、その「チューブ・プレート」に取付らるる部分は弛緩して蒸気の漏洩を促すものとす。しかしてその長さ長ければ長き程、膨張または収縮すること大なるをもって余り長きに失する事あたわず。特に銅または真鍮製「チューブ」は、鋼製「チューブ」に比すれば膨張の度多きをもって比較的短きものを用ゆるを良とす。

 英国にて銅製「チューブ」を用ゆるものは通常 14フィート内外にして、鋼製「チューブ」を用ゆるものは 15フィート以上のもの多し。ドイツまたはフランスにおいてはやや長きものを用ゆるものありと言えども 18フィートを超ゆるものははなはだまれなり。また米国においては大形なる機関車には近来 20フィート以上のものを使用せるものあり。けだし「チューブ」は追々大形なる機関車を使用するに伴ひて、漸次その長さを延長せざるを得ざるに至るべし。

 しかれども細長なる「チューブ」はガスの流通不良なるのみならず、運転中振動のためその取付部分弛緩することあり。故に「チューブ」の長さを増加するときは同時にその直径を増大するを要すべし。これを実例に徴するに「チューブ」の長さは外径の 80ないし 100倍なるもの多くして、長きものは鋼製「チューブ」を用ゆるを例とす。第 69表は「チューブ」の長さと太さとの割合にして、ドイツにおける最近の実例を示す。

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2024年4月16日 (火)

機関車工学:中巻(その268)煙 管:チューブの太さ

【 「チューブ」の太さ 】

 細き「チューブ」を多数使用するときは、太きものを少数使用するよりも多量の伝熱面を得るの理なりと言えども、その径小に過ぐれば煤塵充填して火焔の流通を妨ぐることあり。故に「チューブ」の太さは大に失すべからず、また小に失すべからざるものとす。また「チューブ」の細きものは運転中振動多くしてその取付部分弛緩するの恐れあるをもって、その太さは長さに比例して増加せざるべからざるものとす。英国にて使用せるは外径 1と4分の3" ないし 2" のもの多く、米国にては外径 2" ないし 1と2分の1"、本邦にては 1と4分の3" ないし 2" のもの多し。

 

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2024年4月15日 (月)

機関車工学:中巻(その267)煙 管:チューブの材質

第8章 煙 管(Tube)

【 「チューブ」の材質 】

 汽缶用「チューブ」としては、欧州各国においては従来多く真鍮管または銅管を用ひたりしが、近来は鋼管を用ゆるものはなはだ多し。大陸のごときは現今、全然真鍮管の使用を廃止するに至れり。米国にては従来もっぱら鉄管を用ひ、近来は鋼管をもってこれに代ふるもの多し。

 本邦においては従来英国の例に倣ひ、もっぱら真鍮管を用ひたりしが近来は鋼管を採用するもの多し。真鍮管は鋼管に比し伝熱力に富み蒸気発生上有利の材料なりと言えども、比較的高価にして且つ焼損し易きものなり。これに反して鋼管は価格廉にして且つよく火熱に堪ゆるの利あり。しかれども水のため腐蝕し易く且つ水垢の付着し易きものにして、しばしばこれを洗滌するを要するものとす。給水不良なる場所において特にしかりとす。

 真鍮管は通常銅 100分の68 ないし 70と、「スペルター」100分の30 ないし 32の合金にして、鋼管は最も軟質なる鋼をもって製せらる。いずれも固形のまま引出したる継目なきものとす。その外径は 1と4分の3 ないし 2と4分の1 インチにして、その厚さは B.W.G.No.13(すなわち 0.095インチ)ないし No.11(すなわち 0.12インチ)とす。

 

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2024年4月12日 (金)

機関車工学:中巻(その266)汽缶の支柱:ファイアボックス以外のステー/チューブの支持力

【 「チューブ」の支持力 】

 「ファイア・ボックス・チューブ・プレート」と「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」との中央部は、「チューブ」によって相支持せらるるものにして、「チューブ」はあたかも「ステー」の代用をなすものなり。「チューブ」は「チューブ・プレート」の孔中に挿入せられ、その両端を内部より押広げて「チューブ・プレート」に取付けらるるものにして、「チューブ」の外面と「チューブ」孔の内部との相接触する部分の摩擦力は、よく「チューブ」をして「ステー」の代用たらしむるに適当なるものなり。

 

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2024年4月11日 (木)

機関車工学:中巻(その265)汽缶の支柱:ファイアボックス以外のステー/ダイアゴナルステー

【 「ダイアゴナル・ステー」(Diagonal Stay) 】

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 前記の「ロンジチュージナル・ステー」は英国において多く採用せらるる形式なれども、「ロンジチュージナル・ステー」の代わりに第 1412図に示すがごとく、「バック・プレート」または「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」を短き「ステー」をもって、「ファイア・ボックス・シェル」または「バレル」に連接するもの多し。これを「ダイアゴナル・ステー」と称す。米国においては従来もっぱらこの方法を採用せり。

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 また往々第 1413図に示せる「ガセット・ステー」と称する形式を採用するものあり。これらの方法は「ロンジチュージナル・ステー」に比すればはるかに簡単なるのみならず、汽缶の膨張収縮を許容する上に大いに便利なり。欧州各国にてはこれらの方法と「ロンジチュージナル・ステー」とを混用せるものはなはだ多し。通常隅鉄または丁形鉄を「バック・プレート」に取付けてその強さを増加せり。第 1414及び 1415図は米国において慣用せらるる「ダイアゴナル・ステー」の一例を示す。

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2024年4月10日 (水)

機関車工学:中巻(その264)汽缶の支柱:ファイアボックス以外のステー/ロンジチュージナルステー

【 「ロンジチュージナル・ステー」(Longitudinal Stay) 】

 「シェル」の「バック・プレート」及び「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」の上部は、長き「ステー」によって相支持せらる。これを「ロンジチュージナル・ステー」と称す。この「ステー」はその一端「ボルト・ヘッド」を有し「バック・プレート」に螺ぢ込まれ、他端は「スモーク・ボックス・チューブ・プレート」の内外より「ナット」をもって締め付けらる。しかして両端共蒸気の漏洩を防がんがため銅製「ワッシャ」を介して締め付けらるもの多し。この「ステー」は取付の際強く緊張せずして、むしろ多少遅緩せしめ汽缶の膨張収縮を許容せしむるを良とす。

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 「バック・プレート」が「ロンジチュージナル・ステー」を支ゆる部分は、通常第 1294及び 1295図に示すがごとく当て金を付して強みとなし、もって屈曲または膨出に抵抗せしむ。また時として隅鉄または丁形鉄を取付けて強みとなすもあり。

 

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2024年4月 9日 (火)

機関車工学:中巻(その263)汽缶の支柱:ファイアボックス以外のステー/パームステー

【 「パーム・ステー」(Palm Stay) 】

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 「パーム・ステー」は「チューブ・プレート」と「バレル」とを支持する「ステー」にして、通常第 1411図に示すがごとくその一端は「チューブ・プレート」に螺ぢ込みある「スタッド」に取付けられ、他端は「リベット」によって「バレル」の下底に取付けらる。

 この「ステー」はかなり細長にして、「ファイア・ボックス」の膨張収縮を許容するに適当なるを要すべし。その短かきものは往々切断するの実例あるをもって、その長さは1フィート以上なるを必要とす。またこれを波状に屈曲して伸縮に便ならしむるものあり。この「ステー」の切断するときは「チューブ」の漏洩を来すの原因となるべし。

 

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2024年4月 8日 (月)

機関車工学:中巻(その262)汽缶の支柱:ファイアボックス以外のステー/トランスバースステー

【 「ファイア・ボックス」以外の「ステー」 】

 汽缶の平扁なる部分は総て「ステー」によって支持せらるるものにして、汽缶の形式によって多少その方法を異にすと言えども、左に主要なるものを逐次記載すべし。

【 「トランスバース・ステー」(Transverse Stay) 】

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 「ベルペヤ」式汽缶においては「シェル」の上部両側平坦なるをもって、第 1383図に示すがごとく横に多数の「ステー」を要するものなり。「クランプトン」式においてはこの部分孤形をなすをもって、小形なる汽缶には別にその必要を認めずと言えども、大形なる汽缶においては横に数本の「ステー」を取付くるを安全なる方法とす。これらの「ステー」を称して「トランスバース・ステー」と言う。

 「ラジアル・ステー」を有する汽缶は「サイド・ステー」と「クラウン・ステー」との間隔少なきをもって、「トランスバース・ステー」を使用するの必要なきものとす。

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 「クランプトン」式汽缶の「トランスバース・ステー」は第 1372及び 1373図のごとく、その両端を「プレート」に螺ぢ込み頭部を鋲形に締め、または「ナット」をもって締め付たるものあり。

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 また第 1262及び 1263図のごとく、「シェル」の外面に取付けある「シート」の上に「ナット」をもって締め付くるもあり。

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 本邦における「クランプトン」式汽缶においては第 1408ないし 1409図のごとく、「シェル」3の内面に取付けある「ブラケット」2に「ピン」をもって連接するもの多し。

 「ファイア・ボックス」は汽缶の膨張収縮、または蒸気の圧力によって多少変形するものにして、為に各部に一種不測の内力を受け継目における蒸気の漏洩を来すものなり。「クランプトン」式にて特にしかりとす。この種の汽缶は蒸気昇騰の後は「シェル」の上部平扁ならんとし、両側は膨出せんとするの傾向ありて、「トランスバース・ステー」は為に非常の内力を受け往々切断することあり。この「ステー」の切断は為に危険を醸すの恐れなしと言えども、これが使用を要する設計においては「ファイア・ボックス」の変形を防ぐに充分なる強さを与ふるにあらざればその用をなさざるべし。

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 第 1410図は「ベルペヤ」式汽缶に属する「トランスバース・ステー」の一例とす。

 

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2024年4月 5日 (金)

機関車工学:中巻(その261)汽缶の支柱:エキスパンションステー

【 「エキスパンション・ステー」(Expansion Stay) 】

 「ファイア・ボックス」の「チューブ・プレート」は火熱のため膨張または収縮するをもって、その付近における「クラウン・ステー」はいく分か上下に伸縮するを要するものとす。否らざれば汽缶の「チューブ・プレート」の上部「フランジ」は「チューブ・プレート」の伸縮に伴ひ交互に緊張及び圧迫の作用を受け、遂に「フランジ」の曲り角において亀裂を生ずるに至るべし。

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 また「エキスパンダー」をもってしばしば「チューブ」を修理するときは、「チューブ・プレート」は伸長して第 1384図のごとく「チューブ・プレート」の「フランジ」を屈折するのみならず、「クラウン・プレート」をも屈折すべし。故に「クラウン・ステー」の前部2列ないし4列は特別の装置を施し「ステー」の伸縮を許容するを例とす。これを「エキスパンション・ステー」と称す。

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 第 1385及び 1386図に示すは「ステー」1が上部の取付「ブラケット」の孔中を自由に上下し得る装置とす。

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 また第 1387図は「クラウン・ステー」の前部2列ないし4列を「リンク」にて吊りたる設計にして、「ピン」の孔に多少の余裕を付し、もって「クラウン・プレート」の上下の伸縮を許容するものとす。またこれらの設計は「クラウン・プレート」の前後の伸縮を許容するにもまた有効なり。

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 第 1388ないし 1393図は「クラウン・ステー」の一部に「クラウン・バー」を応用したる2~3の実例を示す。この形式は前記の目的を達するに最も有効なるをもって欧州各国においては広く採用せらる。

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 第 1394ないし 1399図及び 1400ないし 1407図に示すは、米国「ペンシルベニア」鉄道を始めその他においても多く使用せらるる鉄製「エキスパンション・ステー」にして、「サイド・ステー」の最も折損し易き部分に代用せらるるものとす。「サイド・ステー」の最も折損し易きは「ファイア・ボックス」における膨張収縮の最も大なる部分、すなわち「クラウン・プレート」、「バック・プレート」、及び「チューブ・プレート」に近き2~3列にして、この部分にはこれらの「ステー」を用ひてその効能の著しきを証したり。

 図に示すがごとく「ステー」の「シェル」に接せる一端は孤形の座に安置せらるるをもって、「ファイア・ボックス」の膨張収縮に伴ひ「ステー」は孤形の座に沿ふて滑動しよくその屈曲するを免れ、もってその折損を防ぐものとす。「ステー」の頭は蓋を有し、もって蒸気の漏洩を防ぐべし。「ファイア・ボックス」側における「ステー」の頭は普通の「ステー」と同じ形状をなす。

 

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2024年4月 3日 (水)

機関車工学:中巻(その260)汽缶の支柱:ダイレクトステー

【 「ダイレクト・ステー」(Direct Stay) 】

 「ダイレクト・ステー」は「サイド・ステー」のごとく「ファイア・ボックス」と「シェル」とを直接に連接したるものにして、「サイド・ステー」に比すれば長きをもって「ファイア・ボックス」の伸縮に伴ふ屈曲作用を受くること少なく、従ってその切断することも比較的少なきものなれば通常柔軟なる錬鉄をもって製す。その取付方法に数種あり。

 その1はその上下両端を板に螺ぢ込み頭部を鋲形に締めたるもの。この方法は主に米国において採用せられ、特に小形なる汽缶に最も多く応用せるるものなり。

 その2は上端を鋲形に締め下端に「ナット」を有するもの。

 その3は下端に造り付けの「ナット」形または鋲形の頭を有し、上端を鋲形に締めまたは「ナット」にて締め付けたるもの。

 その4は「クラウン・プレート」に螺旋を有せずして、2個の「ナット」を用ひてこれを内外より挟みたるもの。

 これら各種の方法中その一種を専用せるものあり。また2、3を併用するものあり。なかんずくその3、その4の方法は最も広く採用せらるる形式にして、本邦において普通使用せらるるものまたしかりとす。けだしこの方法は蒸気の漏洩または「ステー」の頭部焼損等のため修理を要すること比較的少なきをもってなり。

 缶水欠乏を来したるときは「ファイア・ボックス」の頂部ははなはだしく熱せられて、その強度を著しく殺減せられ蒸気の圧力によりて膨出せんとするものなれば、「ステー」の下端を鋲形に締めたる方法は缶水欠乏に際し「プレート」の螺旋が摺剥がれて、「プレート」は「ステー」より脱出しついに恐るべき破裂を醸すに至ることあり。


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 故に近来は全然この方法によれるものははなはだ稀にして、第 1382図に示すがごとく「クラウン・プレート」の中央縦の数列に比較的丈夫なる「ナット」、または第 1381図のごとき造り付けの頭を有する「ステー」を応用し、両端の比較的弱き前記の「ステー」を併用せり。

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 けだし缶水欠乏の場合において、「クラウン・プレート」の両端に近き「ステー」をして比較的早く脱出せしむるは、汽缶の大破裂を予防するものと信ぜらるるが故なり。

 「クランプトン」式「ファイア・ボックス」における「クラウン・ステー」の配列に2種あり。

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 その1は第 1380図に示すがごとく「ステー」を垂直に置きたるもの。これを「バーティカル・ステー」(Vertical Stay)と言ひ、その2は第 1382図に示すがごとく「ステー」の方向を傾斜したるもの。これを「ラジアル・ステー」(Radial Stay)と称す。前者は「クラウン・プレート」の水平なる場合、後者は孤形なる場合に応用せらる。「クラウン・プレート」の孤形をなしたるものは泥垢の流下するに便にして、「スケール」の付着すること比較的少なきものとす。

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 「ベルペヤ」形汽缶には第 1383図のごとく「ステー」を垂直に配列し、その上下両端共「ナット」をもって締め付けたるもの多し。

 

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2024年4月 1日 (月)

機関車工学:中巻(その259)汽缶の支柱:クラウンステー

【 「クラウン・ステー」(Crown Stay) 】

 「ファイア・ボックス」の頂部の「ステー」、すなわち「クラウン・ステー」に2種あり。「クラウン・バー・ステー」(Crown Bar Stay)と称するもの、及び「ダイレクト・ステー」(Direct Stay)と称するものこれなり。

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 第 1294ないし 1296図の 13は、英国機関車に使用せらる「クラウン・バー・ステー」の取付方法を示すものにして、「ファイア・ボックス」の全長を通じて数多の棒 13を並べ、これを数多の「スタッド」によりて「クラウン・プレート」に取付くるものとす。第 1364及び 1365図はその詳細を示す。

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 また第 1366及び 1367図は I 形「クラウン・バー」の一例を示す。

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 「クラウン・バー」は、「クラウン・プレート」における蒸気の圧力によって多大の屈曲作用を受くるものなれば、長大なる「ファイア・ボックス」においては、これを「リンク」によって「シェル」に釣り上ぐるを例とす。

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 第 1368ないし 1371図に示すがごとく「リンク」2を「シェル」に連接する「ピン」は、「リンク」の内部を自由に滑動し得るよう装置しありて、もって「ファイア・ボックス」の膨張または収縮に伴ふて「クラウン・プレート」の上下するの自由を得せしむ。けだし「クラウン・バー・ステー」を用ふるの特長はこの自由を得せしめ、もって「ステー」の折損を避くるにあり。

 「クラウン・バー」は錬鉄、軟鋼、または鋳鋼をもって製せられ、かなり軽量にして強き形状を選ぶを良とす。前記の I 形「クラウン・バー」は鋳鋼製にして、英国機関車に用ひられたるものにして良好なる形状の一に属す。

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 英国形汽缶には「クラウン・バー」を「ファイア・ボックス」の縦に並列するもの多く、米国形には第 1372及び 1373図に示すがごとくこれを横に並列するを例とす。後者は「バー」の長さを減縮し、従って屈曲作用に対する強さを増加するの利あるをもって、大形なる「ファイア・ボックス」にはこの方法を採用するを良とす。欧州大陸にもこの形式を採用するものまたはなはだ多し。

 第 1374ないし 1377図は米国「ユニオン・パシフィック」鉄道における基本の形式にして、第 1378及び 1379図に示すはフランス北部鉄道に採用せられたるものの一例とす。

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 「クラウン・バー・ステー」は「ファイア・ボックス」の膨張収縮に対し屈曲作用を受くる個所なきをもって、他の形式に比すれば「ステー」の切断する面倒を避け実験上良好なる方法なることを証し、欧米共広く採用せられたる形式なりと言えども、「クラウン・プレート」と「クラウン・バー」との間隔はなはだ狭隘なるをもって、「クラウン・プレート」の上部に滞留する泥垢を掃除するに不便なるをもって、この方式は良好なる水を使用する場合に採用するを適当とす。

 

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