機関車工学:中巻(その239)鋲継目:継目の効率(1)
【 継目の効率(efficiency) 】
この効率は継目の強さと、継目なき場合における強さとを比較したる率にして、これによって継目の強さ加減を鑑定するものとす。この率は前記の表に掲げたる鋲のせん断力、鋲及び板の圧砕力、または継目における鋲の穴を引去りたる板の抗張力の三者と、その穴を引去らざる板の抗張力との比にして計算上これを求むるものとす。
実験に徴するときは継目の強さは、板と板との合せ目における摩擦のため実際計算せるものよりもはるかに大なるものなり。しかれどもこの摩擦は汽缶を製作したる当時において最も強く、多年使用中は自然減少するを免れざるものなれば、これを効率計算中に計上せざるを安全とす。
しかして継目の効率を見出すには、鋲のせん断力、板の抗張力及び、板及び鋲の圧砕力の三者を計算し、その最も弱きものと穴なき1「ピッチ」の板の抗張力との比を算出するを要す。
汽缶用鋼板の抗張力は板の種類によって多少異なりと言えども、1平方インチに付き 25トンないし 28トンと見なすべく、鋼鋲のせん断力はそのおよそ 5分の4 と仮定するを適当とす。また板及び「リベット」の圧砕力は実験上非常の差違あるものにして、時として1平方インチに付き 12万ポンドを上ることあり。また時として 10万ポンドを下ることあり。今これらの力を安全なる側に計量し左のごとく仮定すべし。
f t = 55000 ポンド
f s = 45000 ポンド
f c = 95000 ポンド
次に掲ぐる6例においては継目の効率の比較に便なるがために、総て缶板の厚さ t を 2分の1 インチとし、鋲の直径 d を 8分の7 インチとし、鋲孔の直径 d₁ を 0.91 インチとなし効率を見出すこと左のごとし。
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