【映画】続々発生する最高品質の「そうはならんやろ」が堪能できる『ズートピア2』を観に行きました
『閃光のハサウェイ』が面白いというので家族で映画館に足を向けたら、そこは『ズートピア2』でした。結論から言うと、とても面白かったです。
初代『ズートピア』で難事件を解決して、肉食動物と草食動物との垣根を超えて信頼関係を得たバディ(相棒)となった、ASD全開の女うさぎとトラウマ引きずりすぎで生活困難者の男キツネ、再びタッグを組んでズートピアの成り立ちに潜む陰謀にチャレンジだ!
しかしMVPなのは陰謀論ユーチューバーで超絶優秀なビーバーなのでした。あいつはできる女だ。話の最初から事件の核心に迫り、仲間のピンチを救い、誰よりも信用できる女。しかし参政党信者みたいな意味不明な言動と冴えないいで立ちで、真の勇者はこいつなのに最後までどうでも良い扱いにされて可哀想。みんな見る目がない、世が世なら動画チャンネル片手に高市早苗に食い込んで国の政策も左右できる、高橋洋一をも超越した偉大なん存在になれたのに…
で、話の流れはいろんなものをテンポよく詰め込もうとした結果、観客は次々と発生する「そうはならんやろ」の濁流に翻弄されます。そもそもそこまで調査能力があるなら女ビーバーはとっくに射殺されてると思うんですよね、麻薬カルテルを揶揄した動画配信者みたいに。
この辺、最近のディズニーアニメあるあるですが『ラプンツェル』における超絶優秀MVPマキシマスみたいに主人公のいる場所を匂いや携帯端末の位置情報で正確につかみ、いきなり現地で集結して主人公たちを追い詰めていきます。どうやったらそれができるのか不思議ですが、理由を考える間もなく次々と新しいそうならんやろ映像があなたを襲います。
落ち着いて考える余裕もなくジェットストリームのように起きる事象、どんでん返し的な裏切り、超絶イケメン市長(馬)。全てが計算され尽くされた完璧のエンターテイメントなのであります。行き当たりばったりで、特にこれといった込み入った計画もなく、気持ち悪いはずなのに最高にいいやつに描写された大義ある蛇。
もちろん、下敷きになってあるのはモザイクのような人種を排除するのはいかんよねというディズニーアニメらしい博愛主義、家族愛、そして関係者の勇気と友情。葛藤を乗り越えあっという間に大団円に向かっていく王道がここにある。水の上を快走する爬虫類のボス。最高だ。観に行った子どもたち大満足、楽しかったね、また観たいねで家族の休日は暮れていくのであります。
しかし、世に擦れすぎたジジイであるところの私は思う、これはハッピーエンドのように見えて何にも解決していないのではないか。むしろ、この事件が暴かれたことによって本来の政治は始まる。つまり、平和で安定した社会が暮らしやすくなるほど、人々は各々と各々の違いに気づき、階層化し、社民党ができ、設備によって作られたズートピアという素敵な世界も成長のストーリーを終えて闘争の時代を迎えアーマードコアの世界観へと繋がっていくのであります。
そして、トラウマを抱え孤独と隣り合わせでニヒルに生きるキツネ。ディズニーに限らずこれもうテンプレ化した悪役令嬢以上の定番になってますよね。しかも、今作よく見るとお前はほとんどなんの役にも立っていない。事件解決のために猪突猛進するASD女の止め役、その心の隙間を埋める信頼関係、本当のヒーローの座はビーバーや蛇に奪われることになります。ウサギ女からすれば都市生活で使命感に燃えて難事件に首を突っ込むよりも親戚に囲まれ暖かく安全な田舎に帰って女としての幸せを選ぶ可能性だってあるはずなのです。隣にいる役立たずのキツネに翻弄されずとも。
善良で崇高な理念により幸福に暮らす動物たちの裏側にはこんな陰謀が! と「誰かに責任を帰すことのできる分かりやすい事件があったから、まだ「ズートピアは救われている」のであって、本当の恐ろしさとは無垢な敵意や無関心、豊かさに慣れたがゆえの綺麗事などなどによる分断なんだろうなあ、そして、そういうどちらにも善があり信じる正義があって価値観同士のぶつかりや、お互いの妥協でしか距離感を確保できない成長の行き詰まりや神話の終わりに直面すると瓦解するズートピアは問題解決のために新たな分かりやすい敵を作ってぶん殴って「めでたしめでたし」になるんだろうと思うんです。
今回は「正当な権利を剥奪された、『先住民としての』爬虫類」を救う話だったけど、いまあるズートピアが「どう分配されればすべての動物にとって平等か」は示されませんでした。確かに実力者は技術を奪い己に都合の良いツンドラを広げようとしたけれど、ひょっとしたら寒冷地を求める多くの動物の支持もあったかもしれない。爬虫類と共に暮らしたくないと思う、次世代となった動物たちもいるかもしれない。
これらの難題をすべてぶっ飛ばして、権利書が見つかってからはまるでいままでのウサギ女&キツネへの不信感など無かったかのように一気にラストを迎えるのであります。なぜだ。違うだろ、ここからが本来のズートピアが抱える根本的な問題に切り込めるシチュエーションじゃなかったのか。市長のあの馬、とんでもねえ馬鹿だぞ。馬だから仕方ないんだけど。マキシマス見習えよ。
子どもたちは超楽しんだいたけど、私はずっとモヤモヤを抱えたまま家族で火鍋を楽しんでから帰りましたとさ。
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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント

3は種族間の垣根を越えて子供を作るテクノロジーが出来ました!という話にならないと解決しないと思います…
捜査ミスっちゃったてへぺろ♪
家族サービスは大事。
高橋洋一の扱い