女子枠の議論を見ていると、反対論の多くは次の4つの強い前提に支えられているように見える。
①個人の権利は、どんな小さな不利益であっても侵害されてはならない
②入試は個々人の能力を正確に測定し、能力順に機会を配分すべきである
③制度は導入前に、その合理性をエビデンスで十分に証明しなければならない
④これらの原理は絶対的であり、大学や政策当局の裁量によって歪められてはならない
もちろん、権利・能力・合理性・裁量統制はいずれも重要。ただし、それらをすべて絶対化すると、現実の入試制度はほとんど説明できなくなる。推薦、総合型、留学生入試、社会人入試なども、純粋な能力順配分ではない。問題は「女子枠が無条件に正しい」かではなく、入試を個人能力の中立的測定装置と見るのか、それとも大学が教育目的に応じて学生集団を形成する制度と見るのか、という点にあると思う(実際には二者択一ではなく、両者のバランス、ハイブリッド)。