病院が次々閉鎖「もう回らない」 診療報酬アップも「焼け石に水」 福岡の医療現場に悲痛な叫び
福岡県内で病院の閉鎖が相次ぎ、地域医療への深刻な影響が懸念されています。背景にあるのは物価高騰や人件費の上昇。医療現場では悲痛な叫びが上がり、専門家からは「公的医療はもう回らない」との声も。日本の医療が直面する構造的な問題が浮き彫りになっています。 【動画】深刻な“病院経営”福岡でも病院閉鎖相次ぐ
■赤字55億円「このままでは共倒れに…」
「累積赤字が2025年までで55億円。このままでは両病院が“共倒れ”になってしまう」 産業医科大学(北九州市)の生田正之理事長は、厳しい表情で語ります。北九州市若松区で唯一の二次救急医療機関である「産業医科大学若松病院」は、来年5月をめどに閉鎖し、約10キロ離れた産業医科大学病院に機能を集約することを決定しました。 地域住民からは「存続してほしい」「行きつけがなくなるから困る」と不安の声が上がっています。 福岡県内では、久留米市の「久留米大学医療センター」も経営難などを理由に、来年12月までに完全閉鎖されることになっています。
■物価高騰が追い詰める医療現場
なぜ病院経営はここまで悪化しているのでしょうか。福岡県糸島市の中核病院である「糸島医師会病院」の冨田昌良院長は「もう来るべきときが来たかなと。今後いろんな場所でそういうことが起こってくるのではと思っている」と話します。 「我々もコロナ後から経営は不安定。一昨年その前と億単位の赤字を出しています」 特に深刻なのが、物価高騰による医療物資の値上がり。同病院では、注射針が昨年度の1箱230円から400円になりました。さらに昨年、10年ぶりに新調したMRIは、以前より2000万円以上高い1億7000万円の費用がかかりました。河合麻里看護師長は「大変だと思います、どこの病院も」と現場の苦しい内情を語ります。