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『マスターキー 数学I・A・II・B+ベクトル』(河野玄斗著)のレビュー・感想
●2026年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は一橋大学です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです。
お馴染みの2026年 大学入試数学評価をやっていきます。
2026年大学入試(国公立)シリーズ
一橋大学です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。 ☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。 したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。
自分で探して自分で解く。これが一番身につきます。
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Principle Pieceシリーズ好評販売中^^ 原則習得のための参考書です。
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講評は動画でも紹介していますので、お好きな方でご覧ください。
一橋大学 数学
(試験時間120分、5問、記述式)
目次
1.全体総評~昨年がムズすぎた~
大幅難化した昨年からはさすがに抑えてきました。東大と違って、ブレーキはちゃんとついているようです(笑) このセットで例年並みぐらいだと思います。
整数、微積、確率という毎年出る題材がほぼ昨年から易化しています。空間ベクトルだけ昨年よりレベルアップしました。残りの数列も得点源にしたい問題。
出題分野は、ほぼいつも通り。整数、微積分、ベクトル、確率。これに、今年は数列でした。
試験時間120分に対し、標準回答時間は130分。
2025年:165分
2024年:110分
2023年:118分
2022年:150分(後半2題で90分)
2021年:130分
2020年:115分
2019年:120分
2018年:138分
2017年:135分
2016年:130分
2015年:150分
2014年:145分
2013年:125分
2012年:135分
2010年:125分
2.合格ライン~2完2半ぐらいか~
第1問は整数でキー問題。一橋の整数としては穏やかな方ですが、整数問題は基本的に差はつく(去年みたいな難易度でなければ)。
第2問の数列は誘導が無いが、一橋受験者ならパターン問題として押さえたい。
第3問の微積分も押さえたい。一橋の微積分は結構得点源に出来ることが多い。
第4問の空間ベクトルは本セット最難問。誘導もないので他に費やしたほうがいい。
第5問の確率は昨年より穏やかだが、これもキー問題。ペアの問題の演習経験次第って感じ。
第2問、第3問はおさえたい。第1問と第5問がどちらも出来れば有利で、どっちもダメだと多分不利。なので真ん中とって3完ぐらいがボーダーですかね。
※数Aって基本的に合否を分けやすいんですよね。単元的に。
3.各問の難易度
☆第1問【整数】方程式の整数解(BC,25分、Lv.2)
いつも通りの一橋大の整数問題に戻ったって感じです。むしろ普段よりちょっと穏やかかもしれません。整数対策をしっかりしていれば取れたでしょう。
絶対値はウザイしいので、xの値で場合分けして外します。中身正の場合は、こちらの原則でまず因数分解を考えます。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 整数 p.44 参照)
実際、x^2,y^2が符号違いで出るので、2乗の差の形が期待できます。その際、-7xも巻き込むために、x^2-7xを平方完成して
(x-7/2)^2-45/4=y^2
と出来たかどうかがポイント。これで4倍して整理すれば
(2x+2y-7)(2x-2y-7)=45
となり、約数候補で絞れます。45だとまあまあ多いので、こちらの原則でちょっとでも絞れないか確認します。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 整数 p.46 参照)
今回はxがただの整数なので、正負では絞れません。y>0に着目すると、大小は行けそうです。また、2乗の差の場合は奇偶も期待大なのですが、今回はそもそも約数が両方奇数なので絞れません。
ということで、大小だけ絞って全部書き出します。実際その組み合わせで解いてx,yを出すと全て整数になるので、絞れるだけ絞ったことになります。
あとは、xの方を見て、絶対値の中身を正にすることを確認します。これも全部OKです。
中身負の場合はxの範囲が限られています(x=1,2,3,4,5,6)ので、全部代入して自然数yが取れるもの探せばOKでしょう。(2,3),(5,3)のみになります。
なお、方程式の表すグラフは下のようになります。(直角)双曲線と円周の和集合ですね。図の8点が、y>0の部分での整数解の組(格子点)になります。

※KATSUYAの解答時間は12:06です。昨年みたいな感じじゃなくてよかった^^; これは割と穏やかな方かな。でも整数は基本的に差つくやろな。
☆第2問【数列】隣接3項間漸化式、条件を満たす最小のn(B、20分、Lv.2)
数列の漸化式からの出題。誘導が無いですが、一橋大受験者ならこれはパターン問題と見なして手を止めずに解答したい。
漸化式は掛け算、割り算ばかりなので、こちらの原則です。
(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 数列 p.54 参照)
an>0であることは一言断ってからlogを取ります。底はなんでもいいですが、項に2や5が見えることと、最後の不等式などから10がいいと思われます。
見慣れた3項間漸化式になり、こちらの原則ですね。
(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 数列 p.47 参照)
これでbnを出します。底を10にとっていれば、これが2026以上になるものを求めればOKと分かります。あとは2^{n-2}の項だけがほぼ聞いてくることを述べつつ、2の累乗を考えればたどり着けますね。
2の累乗は2^13=8192までは必須です。(結果が4桁になるところまでは暗記したほうがいいと、動画やこのブログで何度も言ってます)
※KATSUYAの解答時間は9:45です。これはパターンやね。阪大文系でもそうやったけど、微妙にlogが付きまとうのウザイ。でも微々たる数値やからムシできるな。
☆第3問【微分(+積分)】3次関数の極大点と極小点を通る直線の傾きの範囲(B、20分、Lv.2)
微分からで、条件を満たす3次関数のグラフの極大点、極小点を通る直線の傾きの範囲を求める問題です。これも出来れば落としたくないし、ある公式を知っているとほぼ瞬殺に近いです。
条件から、2次の係数に気を付けると、f'(x)=3(x-α)(x-β) と書けます。そこから元の関数もほぼ表せますが、それすら不要。傾きを表す式の分子に出てくる、3次関数の極値の差に関するこちらの原則を知っていたかどうか。
(詳細は拙著シリーズ 数学II 微分法 p.42参照)
これを用いると、極値の差f(β)-f(α)が瞬時に-1/2(β-α)^3 と分かり、傾きはこれをβ-αで割ったものだと分かります。あとはαとβの範囲から差の範囲を出せば終了です。
去年の阪大理系数学でも3次関数の極値の差の問題は出ています。こちらの動画を見ていた人はこのやり方がすっと思い浮かんだかもですね。
※KATSUYAの解答時間は7:20。6分の公式知っていればかなりラク。これはさすがに簡単な気がするな^^;
第4問【空間ベクトル】立方体の切り口を底面とする錐体の体積(C、40分、Lv.3)
空間図形の問題で、立方体をある平面で切ったときの切り口を底面とする錐体の体積w求める問題。本セット最難問で、この空間ベクトルだけは昨年よりも難易度が高いです。
まずは切り口を特定するところからですが、これが慣れていないと意外とキツイ。中学受験の算数なら結構こういう問題出ますが、立方体の切り口は、以下の3つの事を意識して書きます。
- 同じ平面にあるものは結べる
- 平行な面の切り口は平行
- 切り口の線を延長して伸ばす
DEを延長して、yz平面自体を切断すると考えると、z軸、y軸と交わります。するとy軸との交点とFは同一平面上にあるので、これを結べるわけです。あとは、平行な面の切り口は平行であることを利用すれば、切り口の六角形が得られます。一応コンピュータに書かせた図を載せておきます。

もしこのやり方を知らない場合は、頑張って式でごり押しします。平面DEF上の点を、1-s-t、s,t などの係数を用いて表し、各立方体の辺との交点を特定するわけです。ただし、どの辺と交わるかをある程度予想する必要はあります。
例えば、点Aを通る辺の1つは、x=6かつz=0 (かつ0≦y≦6) とおけるので、x=6,z=0となるようにs,tを決めて、y成分がいくつかを求めるというものです。
切り口が特定出来たら立体が把握できますが、少し角度を変えないと把握しにくいかもしれません。こんな感じになります。

この角度からなら、求める体積が、大きな三角錐(4頂点がO,(7.5,0,0),(0,10,0),(0,0,7.5))から、端っこにある三角錐3つを引いたものだと分かるので、それで体積を計算すれば終わりです。
もし思いつかない場合は、素直に切り口の面積を求めます。1つ上の図で、大きな三角形から小さな三角形3つを除きます。
高さは、Oから平面DEFに下した垂線の足なので、こちらの原則に従って計算します。
(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 空間ベクトル p.39参照)
これで垂線の足の座標が出て、高さも分かるという流れです。ただ、かなり時間はかかりそうですね。
KATSUYAの解答時間は29:08です。いや、急にムズ^^; 切り口の特定からかなり難しくないか。中受組なら慣れてそうやけど。位置を特定し、体積はデカイ三角錐から引けば簡単に高さとか分かりそうやなと判断。これもすっと気づかないとかなり厳しいと思うな。文句なし最難問やろな。
第5問【確率】条件を満たす4組の選び方と確率、期待値(BC、25分、Lv.2)
最後は今年も確率から。昨年よりはマシですが、ちょっと設定が分かりにくかったかもしれません。同じ紐の両端をペアにしたら、そこで輪ができるってことです。
(1)は4ペアとも同じひもの両端で作る方法のみです。ペアのつくり方はグループ分け原則に従います。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 集合と場合の数 p.37 参照)
今回は2つ(ペア)が4組あるので、最後に4!で割るのを忘れないように。ペアの決め方は105通りなので1/105となります。
(2)から慣れてないとちょっと難しいかもしれません。各紐の両端A1A2…D1D2などとして、A1はA2以外の6つとつなげます。どれとつないでも同じ場合だけあるハズなので、いったんB1とでもつないで、次にB2がA2以外の4つとつなげる・・・みたいな感じでかけ算していくと出せます。
どの場合も等しいので、とりあえず1つ選んでそのときに何通り存在するか計算していくっていう流れです。これで実は簡単に6×4×2通りと出ますので、確率も出ます。
(3)は期待値。Nはあと2か3しかあり得ないので、数えやすい方を数えて、残りは1から引きます。N=3の方が数えやすいと思います。自己完結するひもが2つで、その選び方は4C2通り、自己完結しない2つのひもから1つの輪にする方法は、もう片方の両端のいずれかと結べいいから2通りで、全部で12通り。
これで余事象でN=2のときは44通りあると分かり、期待値も分かります(ちょっと不安になる数字ですが)。 余裕があればN=2のときも直接数えてみるといいでしょう。
※KATSUYAの解答時間15:05。最初の設定の理解に少し時間がかかったが、ただのペアの問題と判断。8つ4ペア系は見かけるけど、これはこれで差が付きやすそうやな。
4.対策
頻出分野は整数、微積、確率です。まんべんなく融合してきますので、穴がないように対策しましょう。ここ数年の反動のせいもあり昨年は大幅難化しましたが、例年の難易度は今年ぐらい(2024年と2025年の間ぐらい)と思っておきましょう。
一橋の数学は理系で出題されても難しいタイプの問題なので、理系並みの対策をとる必要があります。青チャートを早い段階で終わらせ、入試基礎→入試標準レベルまでは行い、できれば仕上げ段階まで行いましょう。
整数問題や確率・漸化式などは、旧7帝大の問題などで練習してても、ちょうどぐらいです。
なお、拙著『Principle Piece』シリーズであれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、この後にもう入試標準演習の問題集に接続可能です^^
量をこなす演習:じっくり演習=7:3もしくは、6:4ぐらいでもOK。
以上です^^
■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)■
数学A Chapter1~集合と場合の数~ (第5問)
数学A Chapter2~確率~ (第5問)
数学A Chapter3~整数~ (第1問)
数学II Chapter6~微分法~ (第3問)
数学II Chapter7~積分法~ (第3問)
数学B・C Chapter1~数列~ (第2問)
数学B・C Chapter3B~空間ベクトル~ (第4問)
計算0.9 (計算練習帳です^^)
すでに原則習得系の参考書をお持ちなら、こちらがおススメ!
数学I・A ~原則のみ~
数学II ~原則のみ~
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※2025年末時点で販売中のもののみ記載しています。最新販売情報はこちらからどうぞ^^
■他年度の、本大学の入試数学■
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Principle Pieceシリーズ好評販売中^^ 原則習得のための参考書です。
YouTubeチャンネル 個人的に紹介したい大学入試数学を中心に解法や発想を紹介していこうと思います。
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