映画『ボルチモアの弾丸(邦題:
新ハスラー)』(1980)
痛快娯楽ビリヤード映画だ。
この作品をベースに1986年に
大ヒットして主演のポール・
ニューマンがアカデミー賞を
受賞した『ハスラー 2』が描
かれた。
話の筋書きはほぼ本作品から
の流用だ。
ただし、「ハスラー 2」は極め
てシリアスな作品としてまと
められたが、1980年版の『新
ハスラー』は娯楽作品として
製作されている。
老齢の往年の名うてのハスラ
ー(詐欺まがいの事をするギャ
ンブラーの事)でありプールプ
レーヤーである男と、その男
の相棒であり愛弟子でありな
がら男のいいつけを守らなく
失敗を繰り返す若者の旅の物
語。
やがて、最大のポケットビリ
ヤード大会に出場するために
二人は詐欺まがい(というかハ
ッスルという詐欺勝負)の荒稼
ぎをしながら旅を続ける、と
いうオハナシ。
このサウスポーの若者は1986
年「ハスラー 2」ではやはりサ
ウスポーのトム・クルーズが演
じた。
お色気あり、アクションあり、
笑いありの基本的にドタバタ
喜劇だ。ビリヤードシーンは
シリアスでリアルな撮影によ
り、超絶技法が描かれている。
この映画が凄いのは、1961年
のアカデミー賞ノミネート作品
の『ハスラー』以来のビリヤー
ド映画ということもあってか、
全米の殆どのプロが作品に登場
しているのがやり過ぎな程に凄
すぎる。
若き日のどえらく可愛いくおぼ
こいローリー・ジョン・ジョー
ンズも出てくる。
不世出の世界王者のウイリー・
モスコー二はじめ、ほぼ全米の
トップ選手が総出演という作品
になっている。
ジェームズ・コバーンの後ろで
ジム・レンピが話しているのは
アービン・クレインでしょう?
凄すぎ。知的で冷静でクール(か
っこいいという意味)な撞球師。
アメリカ合衆国メリーランド州
ボルチモア。ワシントンD.C.の
近くの港湾大都市だ。
1980~90年代に職場の同僚で親
友でもあった撞球者のアメリカ
人弁護士はボルチモア出身だっ
た。
ワシントン・ボルチモア都市圏
は一千万人都市の大都会だ。
エリアは南北戦争の激戦地でも
あり、そこらの土を掘ったらい
くらでも南北戦争時代の銃弾が
出てくるのだという。親友もお
土産でそこらで掘り返した古墳
出土のような南北戦争時代のド
ングリ形の銃弾を私にくれた。
空中を飛び交う銃弾と銃弾が衝
突するほどの激戦区だったらし
い。
今では全米一の文化圏として、
インテリジェンスの代表格のよ
うな都市圏でもある。
賭け玉師のプールプレーヤーを
扱った1980年の映画作品で「ボ
ルチモアの弾丸」という原題が
ついているのは、そうした南北
戦争の歴史ある街で生まれ育っ
た一人のハスラーが主人公だか
らだろう。
ボルチモアで思い出すのは、と
いうか思い出すどころか撞球の
世界で有名であるのは、ビリヤ
ード界に革命をもたらした1980
年代キューメーカーのダン・ジ
ェーンズ(故人)が挙げられる。
元々は名うての賭け玉師だった
ダンだが、自らキュー作りを始
め、1980年代には多くの全米選
手、世界チャンピオンたちが彼
の作るキューをこぞって使った。
それ程に撞球性能が優れていた。
1986年の映画『ハスラー 2』で
は、すべて彼のキューが使われ
た。
劇中での歴史的名作者で故人と
なった「バラブシュカ」のプー
ルキューも、Jossキューが代用
品として使われた。
トム・クルーズが振り回す演技
の時にぶつけて廃物にしてしま
ったが。
1980年代の早くからコンピュー
タ制御のCNCマシンをキュー作り
に導入したのもダンだった。
彼が作ったメーカー名のJossは、
多分日本語の「如す」、「叙す」、
「除す」、「恕す」から採ったの
だろう。
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