報告書「主張反映されず」 熊本・マリスト中いじめ被害生徒の両親会見
マリスト学園中(熊本市東区)に通っていた男子生徒が同級生から暴言や暴行を受けて転校した問題を巡り、学校設置の第三者委員会がいじめを認定し、学校側の対応に問題があったとする調査報告書をまとめたことを受け、男子生徒の両親が22日、熊本市内で記者会見した。両親は「報告書は学校側の資料に基づいてまとめられており、私たちの主張がほぼ反映されておらず、憤りを覚える」と述べた。
報告書によると、男子生徒は2023年4月~24年10月にいじめを受けた。両親によると、男子生徒は適応障害などを発症。両親は第三者委に、医師の所見や診断書を提出したが、報告書はいじめとの因果関係を明記しなかった。
また、学校が24年10月、男子生徒に行った別室指導について、両親は体罰だと訴えたが、報告書は体罰と認めなかった。学校側が、父親に学校への無断立ち入りや要望をやめるよう求める「警告書」を送っていたことも明らかにした。
男子生徒は現在も複数の薬を服用しながら生活。学校側からの謝罪はないという。両親は、報告書がいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と認定したことを評価しつつ、一部に「納得していない」と主張。熊本県に再調査を求めることを検討する。
両親はマリスト学園中に対し「被害者に寄り添った体制を構築してほしい」と述べた。マリスト学園中は取材に「いじめの早期発見や相談しやすい体制づくり、保護者への説明の仕方など改善を進める」とした。(上野史央里)
熊本県の私立校対応「改善を」 被害生徒の両親訴え
マリスト学園中でいじめを受けた男子生徒の両親は22日の記者会見で、「公立校と私立校で熊本県の対応が不均衡になっている。県は私立のいじめ問題にも十分関与できるよう仕組みを改善すべきだ」と訴えた。
公立校でいじめが疑われる事案が起きた場合は、学校もしくは教育委員会の第三者委が調査する。一方、私立校では運営する学校法人の判断に対応が委ねられ、県は関与しにくい構造になっている。
両親はいじめ発覚後、私立校を所管する県私学振興課に調査や指導を求めたが、権限がないことを理由に断られたという。両親は「県が早い段階で介入していれば、問題は大きくならずに済んだ」と話す。
両親の代理人で、私立校でのいじめ問題に詳しい板井俊介弁護士は「他県では県教委が私立でのいじめ問題に対応するところもある。県教委はいじめ対応のノウハウを積み重ねており、まとめて対処する枠組みがあってもいい」と提言する。
県私学振興課は私立校のいじめ対応について「私立校向けのいじめ対応の手引きを昨年改訂し、実務面で使いやすくした。県教委の研修会に私立校の教職員も参加するようにしており、取り組みは強化している」としている。(丁将広)
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