時々こんな発言を見かける。
「日本がインドシナに進駐しなければ、ベトナムは今もフランスの植民地だった」
少し立ち止まって考えてほしい。
まず、歴史に「もし」は存在しない。
時間は一方向にしか流れず、歴史は事実としてのみ存在する。
そして、以下はすべて同時に事実だ。
日本がインドシナに進駐し、現地の人々に甚大な被害を与えたこと。
日本の敗戦がベトナム独立の一因になったこと。
しかし、
それは、日本側の善意によるものではなかったこと。
だから「恩着せ」はやめた方がいい。
逆効果になるだけでなく、現在の日本人の印象をも傷つける。
最後に一言。
ベトナムは、誰かに解放してもらった国ではない。
1000年にわたる中国の支配を、自らの足と肩で背負い続けた。
100年のフランス植民地支配を、自らの忍耐で耐え抜いた。
日本とフランスが引き起こした200万人の餓死を、自らの目で「目撃」した。
フランスとアメリカと戦い、国を統一したのも、主に自らの力によるものだ。
ソ連や中国の支援があったのは事実だ。
しかしその支援を引き出したのも、ベトナム自身の外交力だった。
大国の傘の下に隠れた論理で
ベトナムに「恩着せがましい」言葉を向けるのは
もうやめにしませんか。